はじめに

為替は投資においても非常に重要な要素です。特に、外国株式や外国債券への投資を考えている場合、為替レートの変動が投資成果に大きな影響を与えることがあります。

外国に投資する際に最も注意すべきなのが「為替リスク」です。例えば、米国株に投資する場合、ドルで株を購入します。その後、株価が上昇して利益が出たとしても、為替レートが不利な方向に変動すると、結果的に日本円に戻す際に損をする可能性があります。

具体的な例を挙げると、米国株で10%の利益を得た場合でも、投資した時点から円高が進んでいると、その利益が目減りしてしまうことがあります。逆に、円安が進んでいる場合は、為替の利益も加わり、実際のリターンが増えることもあります。

為替リスクを軽減するための手段として、「為替ヘッジ」があります。これは、あらかじめ為替変動による損失を防ぐための取引を行うことです。例えば、円高が進むと予想される場合、ヘッジをかけておくことで、円高による影響を抑えることができます。ただし、ヘッジにはコストがかかるため、その分リターンが低くなることもあります。したがって、ヘッジを行うかどうかは、投資家のリスク許容度や為替の予測に応じて判断する必要があります。個人的にはご自身の資産ポートフォリオや投資戦略にもよりますが、円安リスク、円だけで資産を保有するリスクもあると考えると為替ヘッジにこだわりすぎる必要はないのではと考えます。

為替レートと株価

また為替レートと株価の関係も、投資家にとって重要な要素です。為替レートが変動することで、企業の利益が大きく影響を受けることがあります。特に、輸出企業にとっては為替レートの変動が重要です。例えば円安になると、日本の輸出企業は海外で自国製品が割安となるため、輸出が増加しやすくなります。これにより、売上や利益が増加し、企業の業績が向上すると株価が上がりやすくなります。一方、輸入に依存している企業は円安の影響でコストが増加するため、利益が減少する可能性があります。この場合、株価が下がることがあります。逆に、円高になると、輸入企業にとって有利な状況が生まれ、コスト削減が可能になり、株価にポジティブな影響を与えることがあります。

たとえば、食品業界などの原材料を海外から輸入している企業は、円高が進むことで仕入れコストが下がり、利益率が向上する可能性があります。例えば円安で、利益が出やすい企業の代表格ですと、トヨタ自動車やホンダ、日産自動車が挙げられます。また輸出が多いSONYや任天堂、パナソニック、キヤノンも円安で恩恵を受ける銘柄とされます。それに対して円高が利益になる企業は、ニトリホールディングスや日清製粉グループ、大阪ガスや出光興産などのほか、海外旅行が増加しやすいことでエイチ・アイ・エスやJALなども恩恵を受けると考えられます。

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