はじめに
繰上げ受給のデメリットとは
繰上げ受給には、いくつかのデメリットがあります。まず、障害年金を請求することができなくなります。
たとえば、60歳以降にがんに罹患して、重い後遺症が残った場合でも、繰上げ受給をしているので65歳に到達したことになり、障害年金の申請ができなくなります。また、遺族年金を受け取っている場合には、受け取れなくなります。国民年金の寡婦年金を受け取る権利もなくなります。国民年金の任意加入や保険料の追納もできなくなります。
そして、繰上げ受給をする場合には、基礎年金と厚生年金のどちらかだけはできないので、両方を繰り上げる必要があります。
今が楽か、将来が楽な方がいいか
このように長生きをすると、受取総額がかなり減ってしまう可能性やデメリットが多いので、できれば繰上げ受給はしない方がベターです。それなのに、繰上げ受給をしている人が圧倒的に多いのはなぜでしょう。
繰上げ受給をしている人の理由は、「早くもらった方が得だから」「年金はあてにならないから」「どうせ長生きをしないから」です。でも、考えて見てください。たしかに早く受け取った方が最初は得かも知れませんが、後で損になります。
年金があてにならないといっても、年金をあてにしないと暮らしていけません。早死にをするかも知れませんが、長生きをしたときにどうしますか? そこは考えていただきたいと思います。
年金は、「長生きしたときの保険」です。そのためには、できるだけ増やすのが一番良いと考えます。今、楽をしても、80歳を超えて高齢になってから生活が苦しくなるなんて辛いと思いませんか。もし、100歳まで生きたとしたら…、それが20年近くも続くのは、避けたいですね。
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