はじめに
2024年7月に、一万円札、五千円札、千円札の新紙幣が発行されました。日常生活でお金を扱うなかで、旧紙幣と新紙幣が混ざっていることも増えてきましたよね。
この新しい紙幣には、実はさまざまな工夫がなされ、初の最新技術も搭載されていることをご存じでしょうか。
今回は、国立印刷局の公表資料と政府広報オンラインの情報から、そのいくつかの例をご紹介します。
そもそも、お札を定期的に新しくする理由は?
お札が定期的に新しくするおもな理由は、「偽造対策の強化」と「ユニバーサルデザインの向上」の2つだそう。
新しいお札になるたびに、より偽造しにくい技術が搭載されたり、さまざまな人が使いやすいような工夫がされたりするのです。
特に今回、「偽造対策の強化」として、新たな技術として導入されたのが、「立体的な肖像が左右に回転するデザインの“3Dホログラム”」です。3種とも、お札を傾けると、肖像が左右に回転して、驚いた方も多いのではないでしょうか。このホログラムは、コピー機やプリンターを使って印刷しても再現できないため、偽造防止に有効だそう。
この技術が導入されたお札は、世界初! なんだか誇らしい気持ちにもなりますね。
また、ユニバーサルデザインの向上としては、新紙幣では、手で触るとざらざらした11本の斜線があり、その場所が、3種類それぞれで違います。一万円札は左右の中央に、五千円札は上下の中央に、千円札は左下と右上です。目で見るだけでなく、触ってもそのざらざら感がよくわかるので、ぜひ確かめてみてください。
ホログラムは、手で触るとつるつるしているため、掲載する位置を変えることで、偽造防止だけでなく、券面識別としても役立てられています。千万円札は左寄りに、五千円札はやや中央寄りにあります。これまで千円札にはホログラムが入っていませんでしたが、新紙幣では左下にホログラムがあります。