はじめに

少子高齢化で日本経済全体は縮小傾向にある中、じつは眼鏡業界はゆるやかに成長しています。というのも、団塊ジュニア世代の高齢化で老眼鏡ニーズが拡大していることや、スマホの普及で近眼の低年齢化が進んでいることなど、眼鏡愛用者率が増加しているためです。また、PC眼鏡やサングラスなど、視力が悪くなくてもかける眼鏡の需要が伸びていることも追い風です。


Zoffが上場、眼鏡関連企業の時価総額ランキング

そんな中、2024年10月18日に「Zoff」を運営するインターメスティックが、東証プライム市場に上場しました。公募価格は1,630円、初値は2,038円と25%上昇で好スタートをきりました。

眼鏡関連でほか上場企業は、ジンズHD(3046)、Japan Eyewear Holdings(5889)、パリミキHD(7455)、愛眼(9854)です。時価総額順に並べると1位 ジンズHD(1,383億円)、2位 Japan Eyewear Holdings(632億円)、3位 インターメスティック(624億円) 、4位パリミキHD(180億円)、5位愛眼(32億円)になります(2024年10月22日時点)。現状、ジンズHDが圧勝していますが、Japan Eyewear Holdingsとインターメスティックは、ほぼ同じで競り合っています。

特に、1位のジンズHDと3位のインターメスティックは、ビジネスモデルや商品展開が似ているように感じます。両者とも眼鏡の企画、製造、マーケティング、販売を手がけるSPA(製造小売業)型のビジネスモデルを展開しており、価格帯や店舗の雰囲気も似ています。どちらも今っぽい眼鏡をリーズナブルに買える印象です。店舗数は、JINSが国内451店舗、海外236店舗に対して、Zoffは、国内276店舗、海外36店舗と、国内海外ともにJINSが優っています。海外店舗の割合がJINSは圧倒的に高いので、その点でもZoffは一歩遅れています。

価格は、両者ともフレーム+レンズのセット価格で5,500円からスタートします。標準レンズでは、Zoffは、球面設計のレンズで紫外線約94%カット、JINSは非球面設計のレンズで紫外線99%カット。JINSは度数が強い人でも、追加料金なしで薄型レンズを選べます。となると、レンズの性能&値段のバランスをみてもJINSのほうがよさそうです。

王道の視力を矯正する眼鏡では、どうも分が悪いZoffですが、上場時にアピールしたのはサングラスでの成長です。地球温暖化で夏の日差しが強くなっていること、目の健康意識への高まりからサングラスを愛用する人が増えています。昔ほど、サングラスをしている=不審な人といった印象が薄れてきたのも追い風です。わたし自身も1年のうち7割くらいの期間で、サングラスを着用しています。その日のファッションに合わせて、サングラスを替える人も多いのではないでしょうか?

Zoffでは、45種類のサングラス用のカラーレンズを揃え、2024年7月19日には、銀座にサングラス専門店をオープンしています。25年の春入社の内定式では、内定者120人全員が、サングラスをかけて記念撮影し、話題となりました。ライバルJINSにサングラスで追いつくことができるかどうか、注目です。

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