はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。

最近、給料が上がったり、居住用不動産が値上がりしたり、周りから個人年金保険を勧められたり、さまざまなことが重なりました。そのなかで、個人的にFPに相談してきちんとアドバイスを受け、資産運用を行いたいと思うようになりました。自分に合ったFPはどうやって探したらよいですか? また、どのような方が先生方にお金の相談にくるのですか? 恐れ入りますが、教えてください。


【現在の収入金額と支出の傾向】
給与2,800万円、他ストックオプションあり
【金融資産】
目黒に4,500万円の居住用不動産あり(ローンなし)
(30代後半 既婚・子供なし 男性)


深野: 自分にあったFPの見つけ方に関するご質問、ありがとうございます。早速、回答に移らせていただきます。

FP探しの王道は公式Webから

今回は、私が会員になっている日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)を例にあげてご説明します。

日本FP協会のWebサイトには「FPに相談する」というメニューがあります。その先に「希望条件にあったFPを探す」コーナーがありますので、お住まい、あるいは勤務先に近いなどの条件にあったFPを探すことができます。

このように、日本FP協会のWebサイト経由でFPを探すこと自体は簡単にできますが、問題はご質問者の方が求められているようなFPが探せるのかということです。

FPの専門分野はそれぞれ

ご質問には「きちんとアドバイスを受け、資産運用を行いたいと思いました」と記載されていることから、資産運用に関するご相談、つまり金融資産運用設計の話題に強いFPを探されていると推測します。

一方、その前に「給料が上がったり、現在の居住用不動産が値上がりしたり、周りから個人年金保険を勧められたり、いろんなことが重なり」と書かれていることも気になります。

実は、私たちFPには、6つの専門分野があります。

具体的には、金融資産運用設計、不動産運用設計、リスクマネジメント(生命保険や損害保険)、ライフプランとリタイアメントプランニング、タックスプランニング、相続事業設計です。

どのFPも、ライフプランとリタイアメントプランニングはしっかり押さえたうえで、残り5つの分野いずれかに特化した方が多いのですが、なかには6つすべての分野にほぼ精通し、総合的なアドバイスを行うことができるFPも存在します。

「ゆりかごから墓場まで」の関係

望まれているのは望むのは先に述べたように資産運用に強いFPかもしれませんが、ご質問に記載されている文章を読む限り、金融資産運用設計に特化したFPよりも、総合的なアドバイスができるFPを探された方がよいと思われます。

なぜなら、FPへの相談は1回限りのスポット的な関係ではなく、ライフプラン上のさまざまな出来事、極端な言い方になりますが「ゆりかごから墓場まで」に対して、“お金のかかりつけ医”的な存在になるケースが多々あるからです。

ご質問から、ご質問者の方はかかりつけ医的なFPを探しているように読み取れました。

ご相談に来られる方は、老若男女、実にさまざまですが、FPのなかには富裕層に特化していたり、リタイアメントプランニングに特化していたりする人などもいます。

ご質問者のご希望にあったFPと出会えることを願います。

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