はじめに

②3つの予算に分ける

身の丈に合わせて「使う」ことと、未来に備えて「守る」こと、このバランスが取れてこそ、将来安心して生活できるスキルとなります。

お年玉では、普段買えない少し高価な物を手に入れたときの満足感と同時に、何か困ったときに備えることも覚えてほしいですよね。そのために、以下のように3つの目的別で分けていきます。

自由に使えるお金

我が家では、お年玉の醍醐味である自由に使えるお金の金額を、子どもたちのプレゼンで決めるようにしています。子どもたちは事前にお店や通販サイトで確認し、欲しいものをできるだけ安く買えるようリサーチすることを覚えます。

とはいえ、子どもの欲しいものはコロコロ変わるものです。予定していたものから違うものを買い、大金があっという間になくなる経験も大切です。

自由な選択に親が口出しすると、子どもが成功や失敗から学ぶ絶好の機会を逃すことになりかねません。親の目の届くうちにお金の小さな失敗をたくさん積むことで、将来の大きな失敗を防げます。

自分で貯金するお金&おうちの人に預けるお金

貯金は目的別に2つに分けます。家計管理でいう中期的な貯蓄に当たる「自分で貯金するお金」と、長期的な貯蓄にあたる「おうちの人に預けるお金」です。

自分で貯金するお金は、今すぐ買えない高いものもコツコツ貯めていくことで手に入れられることを学びます。また、想定外の何かが起こったときに、備えるとはどういうことかを体感するため、筆者の子どもたちは、自分の不注意で何か無くしたときや友人のものを借りてうっかり壊してしまったときは、この貯金から出すようにしています。

おうちの人に預けるお金は、将来、大きなお金がかかる時期のために備えておくためのものであることを子どもに伝えた上で、子ども名義の通帳に預け、普段は筆者が保管しています。

③一緒に金融機関で貯金。記帳した通帳を確認

目的別に貯金額が決まったら、ぜひ子どもの手で入金しましょう。通帳を親が預かるにしても、自分名義の口座に貯金することで自分のお金だという自覚も生まれます。

小さい頃から一緒に管理していれば愛着も湧き、大きくなって手渡す際も大切に使う気持ちをもってスムーズに移行できるでしょう。

また、一緒に管理することで贈与税対策にもなります。贈与税は年間で110万円を超える贈与について課税されますが、親だけで管理していた場合、子どもに引き継いだ時点で贈与税の対象となる可能性があります。

預金残高が110万円に達する前に、子ども本人がその貯金の存在を認識し、入金などの管理をスタートさせることで、贈与税はかからないまま保有できます。

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