はじめに

米国の利下げ

一方、海外市場でも2024年は大きく動いた1年となりました。まず2020年3月以来、4年半ぶりにFRBが利下げに転じたことが、相場にとっては大きな出来事でした。9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは政策金利を5.25%~5.5%から4.75%~5.0%へと0.5%引き下げることを決定。その後12月17〜18日開催の12月FOMCまで3会合連続で利下げを決定しており、高金利政策は緩やかに調整されています。

ただ12月の経済見通し予測(SEP)では来年末の金利(中間値)を9月の見通しの3.4%より0.5%高い3.9%と提示しており、前回9月時点の4回から半減、FRBが2025年の利下げペースが鈍化する見通しを示していることは押さえておきましょう。

大統領選挙イヤーが与えた影響

そして今年は大統領選挙イヤーでした。ドナルド・トランプ氏が再び大統領に選出されましたね。この選挙結果は、アメリカ国内だけでなく世界経済にも大きな影響を及ぼしました。トランプ大統領、また上下両院すべてを共和党が取る「トリプルレッド」が実現。トランプ氏の規制緩和や現行の所得税減税の恒久化、暗号資産の規制緩和、法人税減税など政策期待で「トランプラリー」といわれる上昇が起き、暗号資産市場ではビットコインが過去最高値を更新しました。

また中国では景気減速が続いていることに加えてトランプ政権による貿易関税が2025年には逆風となる見通し。インドや東南アジア諸国は高い成長率を維持しており、投資家の注目を集めました。海外でもボラティリティの高い相場環境が続きましたね。

新たなフェーズに入った地政学リスク

加えて2024年は地政学リスク懸念が高まった年でもありました。ロシアのウクライナ侵攻から地政学リスクが新たなフェーズに入り、中東情勢、ガザ戦争はレバノンに波及、イスラエルとハマスの衝突は近隣諸国の経済活動にも影響を与えています。またシリアでアサド大統領の独裁政権が崩壊。台湾有事も懸念されている状態です。第三次世界大戦は既に始まっているとする有識者もおり、世界の分断がより意識されたと言えます。

2025年の鍵は

2025年に向けては、日本市場においては企業の収益力向上と市場改革の進展が鍵を握るでしょう。また海外市場では、アメリカの政策や中国経済の動向が引き続き注目されます。

投資家にとって、2024年の経験はリスクとリターンのバランスを見直す良い機会となりました。2025年の相場も波乱が予想されますが、戦略に基づいた投資を心掛けることで成果を期待できるのではないでしょうか。

最後に今年記事を読んでくださった皆様に、この場をお借りして心からの感謝をお伝えしたいです。ありがとうございました。

良い年をお迎えください。来年もよろしくお願い致します。

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