はじめに

2024年は、投資環境が大きく変化し、日本市場と海外市場の双方で歴史的な出来事が数多く発生した1年でした。今回は日本市場と海外市場の順で、2024年の相場を振り返りながら、主要な出来事やその背景を整理します。


新NISAと日経平均の歴史的高値更新

2024年は、日本市場にとって特別な意味を持つ1年でした。まず注目すべきは、新しいNISA(少額投資非課税制度)のスタートです。この制度は個人投資家にとって利用しやすいものとなり、幅広い年齢層で投資への関心が急速に高まりました。

特に若年層の投資家が増加し、投資人口の拡大が顕著に見られました。三菱UFJアセットマネジメントの公募投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式」いわゆるオルカンの純資産残高は今月節目の5兆円を突破し、一年かからずに3倍近くに膨らんでいます。

そして、2月22日には日経平均株価が史上初めて40,000円を突破するという歴史的な瞬間を迎えました。この日経平均の最高値更新は、1989年のバブル崩壊以来34年ぶりの出来事であり、日本市場が「失われた30年」と呼ばれる長期停滞期を株価の面では抜け出した象徴的な出来事でした。

この上昇の背景には、インフレ対策に伴う企業の収益力向上や、政府による株式市場改革が評価されたことがあります。また2024年の春季賃上げでは、大手企業の平均賃上げ率が5.58%と33年ぶりの高水準になっています。

加えて日本株のバリュエーションが海外投資家にとって魅力的であったことも影響しました。7月には外国人投資家を中心とした買いが押し上げる形で日経平均は4万2,000円超えを達成。

令和のブラックマンデー

 
しかし日本市場では8月5日、いわゆる「令和のブラックマンデー」と呼ばれる大暴落が発生しました。この日の日経平均は12.4%も下落し、史上最大の下落幅となる4,451円の下げを記録しました。この暴落の要因は明確ではありませんが、複数の要因がかみ合わさったことでの投資家心理の悪化やアルゴリズム取引の影響が指摘されています。リスク管理の重要性を再認識させるきっかけともなったでしょう。

さらに、10月には自民・公明党が衆院選で大幅に議席を減らしたり、11月には東京証券取引所の取引時間が30分延長されるという制度変更が行われましたね。新たに導入された「クロージング・オークション」による取引の値幅制限や成行注文への注意点など、制度変更に伴う影響が注目されました。

2023年末の日経平均株価は終値3万3,464円17銭でしたので、年間で見ると日経平均は大きく上昇していますが、総じて乱高下した印象深い1年と言えるのではないでしょうか。また個人的には個別株ではどの銘柄に投資したかによって投資成績が例年以上に大きく変わる一年だったと感じます。特に中小型株は全体としては低調でしたが個別選定のやりがいもある一年でした。来年も大型バリューやテーマ株の活況が見込まれ、銘柄選びが明暗を分けると思いますので、気になる方はぜひトライしてみてください。

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