はじめに
保険は専門用語などもあり、複雑でわかりにくいと感じている人が多いと思います。しかし、「細かなことは、よくわからないけど入っておけば安心かな?」という安易な考えで加入すると、損をしてしまうことがあります。
保険は超長期の契約ですから、20〜30年の間、損し続けることになります。そんな保険の損する誤解について解説をしてみましょう。
本当?誤解?「掛け捨ての保険はもったいない」
「掛け捨ての保険は損!」と思っている人が多いようですが、それは誤解です。保険の大きなメリットは、「少ないお金で大きな保障を買える」ことです。
たとえば掛け捨て型の定期保険だと、大体月額保険料2000円で1000万円の保障を買うことができます(40歳男性の場合)。
もしこれが貯蓄型の終身保険ならば、月額保険料は大体3万4000円程度かかります。たしかに終身保険は解約返戻金があるのでお金は戻ってきますが、月額3万円以上の保険料ともなると家計が圧迫されます。リスク回避の観点からいうと「掛け捨て」は合理的な選択といえるでしょう。
本当?誤解?「保険は必要ない!」
若い人の保険離れが進んでいるため、加入率が減少しています。原因として「保険は一切必要ない」と考えている方が増えているようですが、これは誤解です。
たしかに独身で扶養家族がいない場合には、保険は必要ありません。しかし、子どもがいる家庭、または扶養家族がいる人には、保険が必要です。もしもの場合(死亡した場合)、残された家族が経済的に困ります。子どもの教育費は生まれてから成人するまで約1000万円はかかるといわれています。保険とはリスクコントロールの役割を担っています。大きなリスクのある人は、保険で備える必要があります。
本当?誤解?「医療保険を優先に考える」
これは誤解です。入院や手術が心配で医療保険に入っている人が多いのですが、じつは医療保険の優先度は低いのです。
健康保険があるため、入院や手術をしても自己負担は3割です。また、高額療養費制度があるので、所得によって治療費の上限が決まっています。年収約370万円〜約770万円の人は1ヵ月にかかる治療費は9万円前後です。自己負担はそれほど多くはありません。
リスクコントロールでいうと、経済的な損失は大きくないので貯蓄で備えた方が効率的です。保険で優先度が高いのは、死亡保険、就業不能保険、がん保険です。