はじめに

株式投資をしていると、突然の不祥事ニュースに巻き込まれてしまうことがあります。業績好調で、株価が上昇中にそういったニュースがあった場合、株の投げ売りが起きることは避けられません。もし自分が株主である企業にこういった報道があった場合、どういう行動を取るべきでしょうか? まさにわたしが最近巻き込まれた事例で考えてみたいと思います。


シックスパッドを手掛ける株式会社MTGの事例

美容ローラー「ReFa」や「シックスパッド」などの健康美容家電を手掛ける株式会社MTG(7806)が、2024年12月12日に「当社連結子会社におけるマーケティング費の過小計上の疑いに関するお知らせ」を発表しました。具体的には、子会社で広告関連の仕入れ計上において書類の改ざんが疑われるため、未計上や計上年度のズレが発生し、その影響額は、約6.6億円に上る可能性があるといった内容です。

当社は、この発表の約1ヶ月前に決算発表をしています。

画像:MTG「2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

2024年11月11日に発表された2024年9月期の①売上高予想は71,865(百万円)、②前年比19.5%、③営業利益3,965(百万円)、④前年比+10.2%でした。当初の営業利益予想は3,400(百万円)なので、16%の上振れ着地です。

画像:MTG「2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

さらに、2025年9月期の予想は、①売上高予想は80,000(百万円)、②前年比11.3%、③営業利益5,000(百万円)、④前年比+26.1%と、さらに増益率が拡大しています。これを受けて、株価は大幅上昇しており、投資家の期待が膨らんでいたところにこのニュースです。

不正会計報道の翌日、株価はストップ安の22%下落、さらにその翌日は11.5%、その翌日は3.8%の下落と、3日連続の急落となりました。発表前の株価2,270円から、たった3日間1,506円まで、66%の大暴落です。

じつは、わたしも当社の株を保有していました。このニュースは12日の17:30に開示されており、そのあとPTS(私設取引システム)の夜間取引で株価は大きく下落していました。翌日は、さらに下げるかもしれないと予想し、翌日を待たず夜間取引で一部売却。1,950円で売却できたので、翌日のストップ安の悲劇は受けずにすみました。

その後の株価の動きは、非常に興味深いです。報道翌日から3日間連続で下げたのちは、大納会の12月30日まで9営業日連続で上昇。下落前の株価には戻っていないものの、もうあと少しで手が届きそうな位置です。今振り返ってみると、報道後、大きく下落したときは、絶好の買い場だったと言えます。

ただし、この事例が、すべての不祥事報道後の株価の動きを表しているわけではありません。当然のことながら、不祥事の内容や、その後の企業の対応によって、株価の反応はまったく違ってきます。

それを前提に、模範的な投資家の行動を挙げてみます。

新NISA、自分に合った投資金額をお手軽に診断!マネーフォワードMEプレミアムサービス[by MoneyForward HOME]