はじめに

帝国データバンクの調査では、2025年の1月~4月にかけて食品の値上げが相次ぐ見通しです。多くの家庭にとって家計への影響が気になる年になりそうです。さまざまな食品の価格改定のニュースを見て「この値上げ、どうしよう。毎日の食事考えなくては…」と不安を感じる方も少なくないでしょう。

本記事では、月ごとに値上げが予定されている食品ジャンルやその背景についてわかりやすく解説します。また、値上げラッシュの中でも家計の負担を少しでも和らげるための「節約対策」もご紹介します。


2025年の食品値上げの傾向は?

帝国データバンクの調査によると、2025年には主要な食品メーカー195社が値上げを予定しており、その品目数は約4000にも上る見通しです。気になる商品の値上げ率は平均で約17%。その多くの商品が1~4月にかけて価格改定となる予定であり、2025年を通じて、食品の「値上げラッシュ」が再燃する見通しです。

【値上げの主な要因】
食品値上げの背景には、以下のような理由が挙げられます。
・原材料費の高騰(94.6%):小麦や油脂などの輸入価格の上昇が影響しています。
・物流費の増加(89.9%):ドライバーの時間外労働規制や燃料費の高騰が主な原因です。
・包装資材費の増加(63.4%):紙やプラスチックの価格上昇が影響しています。
・人件費の上昇(47.9%):最低賃金の引き上げにより、製造・物流の人件費が増えています。

これらの要因が重なり、食品メーカーにとってコスト負担が増大していることが、値上げの大きな原因といえそうです。次は、2025年1~4月に値上げとなるものはどんなものがあるのか見ていきましょう。
参照:(月例定期調査)「食品主要195社」価格改定動向調査

1月に値上げされる食品:「パン類」が約5~7%値上げ、「米」が15.6~16.5%

1月からの値上げとして目立つのは、パン類・業務用小麦粉です。

各メーカーをみてみると、山崎製パンでは、パン製品だけでなく洋菓子や和菓子など計290品目が値上げされます。それぞれの値上げ割合率は、食パンが「平均5%」、菓子パンが「平均5.3%」、「串だんご、豆大福」などの和菓子、「まるごとバナナ」などの洋菓子などは「平均7.3%」となります。

フジパンにおいても、食パン、食卓、菓子パン、惣菜パン、和洋菓子などの製品において「平均4.7%」が値上げとなります。

敷島製パン(Pasco)は、食パン、食卓パンなどが、「約1~5%」、菓子パン、和洋菓子が「約2~5%」値上げされます。

いずれも、原材料価格である包装材料やカカオ豆等の価格の高騰、油脂、砂糖、乳製品等の価格が高止まりした状態が続いていることが理由です。

食パンは主食として多くの家庭で日常的に消費される商品です。その値上げは家計にとっても与える影響が大きいでしょう。

業務用小麦粉を提供している日清製粉、昭和産業株式会社、株式会社ニップンにおいても「中力系・薄力系小麦粉」が約25㎏あたり65~70円値上げされます。

パン類以外では、はごろもフーズのパックごはん「ぱぱっとライス こしひかり」など計10品目で「15.6~16.5%」の大幅値上げとなります。お米の価格が2024年あたりから上昇していること、包材等の価格高騰などが大きく影響しています。

参照:山崎製パン株式会社「製品価格一部改定のお知らせ
フジパン株式会社「価格改定のお知らせ
敷島製パン株式会社「商品価格改定のお知らせ
日清製粉グループ本社「日清製粉 小麦粉価格改定のお知らせ
昭和産業株式会社「業務用小麦粉価格改定のお知らせ
株式会社ニップン「業務用小麦粉価格改定のお知らせ
はごろもフーズ株式会社「製品の価格改定のお知らせ

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