はじめに
連続増配銘柄にも注目
長期投資で配当金を重視するならば、連続増配に注目するのもいいでしょう。連続増配銘柄とは、毎年配当金を増やしている企業を指します。これは、企業の成長性や配当政策への強いコミットメントを示す重要な指標です。特に10年以上の連続増配実績を持つ企業は、長期的な成長基盤があると判断しやすいです。また連続増配を続けるには、十分な利益余力が必要です。自己資本比率やキャッシュフローの安定性を確認しましょう。
連続増配銘柄は食品、医薬品、インフラ関連など、安定収益を得られる業種に多い傾向があり、例えば日本では花王やJT(日本たばこ産業)が連続増配銘柄として知られています。「日経連続増配株指数」という、連続増配年数で原則10年以上の国内企業上位70銘柄というルールで構成されている指数もあります。日本経済新聞社が2023年6月に算出・公表を開始した新しい指数で、指数組入れ銘柄から調べてみるのも良いと思います。この指数をベンチマークとした「iFreeNEXT日経連続増配株指数」というファンドもありますのでチェックしてみてください。
高配当銘柄を超えることもあるREIT
そして直近で価格下落で高配当銘柄を超える利回りとなってきているのがREITです。
REITとは不動産に投資する投資信託です。投資家から集めた資金をもとに商業施設、オフィスビル、住宅などの不動産を購入し、その賃料収入や売却益を分配金として支払います。REITが保有する物件の質(立地、賃貸契約の安定性など)や、オフィス、住宅、商業施設などの構成比率を確認しましょう。 REITは、高配当株を上回る利回りを生むことがあり、特に価格が一時的に下落した際には、その利回りがさらに上昇するケースがあります。
分配金利回りは平均で4~6%程度で、タイミングによっては10%を超える銘柄もあります。一時的な市場の過剰反応であれば、投資チャンスとなります。暴落の際に備えてREITをあらかじめチェックしておいてはいかがでしょうか。
NISAで非課税の恩恵を最大化
2024年からの新NISA制度では、年間360万円の投資枠を活用できます。成長投資枠は240万円までで個別株やREITなどを購入することも可能です。この制度を使うことによって、通常配当金には20.315%の税金が課されますが、新NISA口座では非課税となるため、配当収入の最大化が可能です。
非課税になるなら売買益を狙ったほうが資金効率が良いのでは?というご質問をよくいただくのですが、確かに銘柄を選んで売買益を取るのが得意な方は、例えばテンバガーになった際の非課税の恩恵は大きくなると思います。ただ必ずしも売買益を得られるとは限りませんよね。そうなると新NISAの非課税メリットを最も確実に得られるのが高配当投資だと言えると思います。
また資金量が限られていてNISA枠で投資が完結するというのであればその中で高利回り銘柄や売買益狙いの成長株でポートフォリオを組んでもいいと思います。まず、ご自身の経験や投資の狙い、リスク許容度によって戦略を立て、その戦略にどうNISAという制度を活用できるか考えた方が良いでしょう。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。