はじめに

物価上昇により、学費の値上げも相次ぎ、大学費用を貯蓄でカバーできるか、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。費用を抑えて大学に行く方法をお伝えします。


上がる大学の学費

東京大学が20年ぶりに2025年4月から授業料を値上げする方針を発表しました。今回の値上げで、年間の授業料が現在の535,800円から642,960円に引き上げられ、4年間で約43万円の追加費用が必要になります。それでも、私立大学より国立大学の方が学費を抑えられるのも事実です。

文部科学省の調査では、2024年度の私立大学の授業料の平均は959,205円。国立大学より4年間で約170万円も多く払い込む必要があります。国立大学の授業料20年据え置きはどこ吹く風で私立大学は年々上昇しています。

大学側も物価高騰で運営費用が上昇しただけでなく、少子化により学生に選ばれる大学になるべくハード・ソフトともに充実した教育環境を整える費用も必要でしょう。

ただ、進学費用が当初見込んでいるより膨らむと家計の負担になりますよね。本人の進学希望を叶えるためにも、今回は家計の負担を抑えつつ進学する方法をお伝えします。

400万円以上給付してくれる奨学金もある

令和4年度の日本学生支援機構の調査では、奨学金を受給している大学生(昼間部)の割合は55.0%。半分以上の学生が奨学金を利用し大学時代の自己負担を軽減しています。

奨学金は返済が必要な貸与型と返済が不要な給付型があります。やはり後々の返済を考えると給付型の奨学金を先行して検討すべきですが、多くの給付型は成績や学習意欲、家庭の経済状況に基づいて支給されます。そのため、対象か否か募集要項で確認し、給付型が難しい場合は貸与型や国の教育ローンを検討しましょう。

日本学生支援機構の貸与型の第一種奨学金は無利子で借りることができます。第二種奨学金や国の教育ローンは金利が発生しますので、返済総額を抑えたい場合は、第一種奨学金の方が有利です。

各奨学金の申し込みの条件や期限などの募集要項を早めに入手し確認しましょう。

例えば、日本学生支援機構の奨学金は、進学前の予約採用募集として高校3年へ進級するとすぐに在学する学校を通じて申し込みが始まります。予約採用で不採用になった方や間に合わなかった方は、進学後に在学採用募集に申し込みができます。学校により募集期間が違うので注意が必要です。

また、大学や専門学校独自の奨学金は受験前や合格後に申請できるものあります。民間の奨学金の中には4年間で総額480万円の給付型もあるので、条件が合えばチャレンジしてもいいですね。奨学金の種類は以下の通りです。

【奨学金の種類】
①日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
・給付型
・貸与型 第一種奨学金(無利息)
・貸与型 第二種奨学金(利息付)
②大学独自の特待生制度や奨学金
③民間企業が行っている奨学金
④国の奨学金
⑤自治体の奨学金
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