はじめに
子ども3人以上の多子世帯の大学無償化制度
2025年度から多子世帯については、大学等の授業料・入学金が所得制限なく国が定める一定額まで無償となります。例えば、私立大学の場合、入学金26万円と授業料70万円×4年分の計306万円が減免になりますので、多子世帯には朗報です。
ただ、対象となるのは「同時に子ども3人以上を扶養している」状態ですから、第1子が社会人となり扶養を外れると扶養は2人となり、第2子が大学生であっても対象外となります。また、手続き申請は入学後の進学先の学校でおこないますが、この制度の対象外の学校もあるため、多子世帯は文部科学省の「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト」で進学先が対象かをチェックしておくといいでしょう。
費用を抑えて進学できる学校を選ぶ
授業料がかからず、手当も出る大学があるのをご存じでしょうか?
防衛医科大学校は入学金・授業料は無料です。また学生本人が防衛省の病院で受診した場合は医療費も無料です。さらに学生は防衛省職員(特別職国家公務員)となるため、学業・訓練に専念することが仕事となり、毎月の給与と年2回の期末手当も支給されます。
ただし、この恩恵を受けるには条件があります。全員入寮が必須で、平日の外出やアルバイトはできません。また、医学科の場合、卒業後9年間自衛隊で勤務する義務があります(看護学科の場合は6年)。9年間より前(看護学科の場合は6年より前)に自衛隊を離職した場合は、卒業までの経費を償還しなければなりません。例えば、令和6年3月卒業生の償還最高額4,380万円と非常に高額です。メリットだけを見て安易に入学を決めない方がいいでしょう。
ほかにも自治医科大学も6年間学費免除の場合、指定された医療機関に9年間勤務で学費が全額免除となります。産業医科大学も指定の医療機関に9年間従事で貸与を受けた全額が返還免除となります。ただし、これらの大学も9年間より前に職務を放棄すると、学費の一括返済が必要です。
また、気象大学や海上保安大学校も入学金、授業料が無料です。こちらも条件があるため、よく確認して候補にしてくださいね。