はじめに

前回の記事でお伝えした通り2024年1~12月のNISA口座開設件数は約343万件、前年比で約1.5倍となっています。2024年1月からスタートした新NISAにより投資家層が拡大し、各ネット証券会社の競争が激しくなっているといわれています。

前回記事:オルカンを上回る伸びを見せる人気ファンドとは? みんなのNISAの利用状況


ネット証券おすすめランキング1位は?

NTTグループのNTTオンライン・マーケティング・ソリューションが1月22日に発表したネット証券各社の比較調査によると、おすすめランキングの1位は4年連続でSBI証券でした。「取扱商品の豊富さ・魅力」や「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」、取扱商品の豊富さが評価されました。2位は楽天証券で楽天グループ(以下、G)をはじめとした「他の金融機関との連携の良さ(入出金のしやすさや金利・ポイント優遇など)」や「マイページやアプリでの取引のしやすさ」が好評のようです。3位は松井証券で「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「セキュリティやシステムの信頼性・安定性」において評価を得ました。

国内最多の1200万口座を突破した楽天証券

2025年1月末、楽天証券HDは上場方針の撤回を発表しました。2023年7月に東京証券取引所に新規上場を申請しましたが、同年11月に楽天証券HDがみずほFG(フィナンシャルグループ)からの追加出資受け入れを公表し、楽天証券HDは上場申請を取り下げました。その後も上場方針は維持するとの見解を示していましたが今回それを撤回し、みずほFGとの連携強化へと方針を変更しました。

楽天Gは携帯事業の設備投資が膨らみグループ全体の財務が悪化していましたが、先頃携帯の契約数が増加し業績が回復傾向となりました。携帯事業が好転したことで楽天証券HDの新規上場による資金調達の必要性が薄まり、今回の発表へと至りました。

楽天G傘下の楽天カードは2024年末にみずほFGから約1600億円の出資を受け入れ、財務は改善しています。

楽天Gは今第2四半期(2024年7月~9月)決算は17四半期ぶりに営業黒字を計上しています。楽天証券の前12月期決算は営業収益1300億9600万円(前々期比17.3%増)、営業利益313億6800万円(同9.9%増)でした。

楽天証券HDとの連携についてみずほFGは、すでにNISA口座数で国内トップシェアをもつ楽天証券と、対面コンサルティング力に強みを持つみずほグループが最適なマーケティングを行うべく協働し、高い利便性を追求していく方針としています。以下は具体的に目指す内容です。

  • 楽天証券との間のオンライン上決済をシームレスに行えるサービスをはじめとする、みずほ銀行の決済機能の強化
  • お互いのサービスを相互に利用できる利便性の向上
  • 相続時などの世代間を超えた資産移転サービスの展開

これらの取組みを通じて、従来には無い資産形成や資産運用における新たな試みを積極的に行い、またオンライン・リアルの垣根を超えたサービスの実現を目指すとしています。証券総合口座数は、対面証券も含め、国内最多の1200万口座を突破したと2025年1月に発表しました。1月24日には外貨入出金をオンラインで完結し、当日中の入出金が可能の新サービスをみずほ銀行と共同で開発しました。

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