世の中には、利用されずに放置状態にある不動産が非常に多くあります。例えば、先祖代々引き継いできた山林や農地、親が生前に住んでいた空き家など、所有者としては必要としていない不動産をやむを得ず相続し、何もせずに放置しているケースなどはその最たる例です。そのほか、自分が若いころに買った別荘地などで、生活スタイルや社会情勢の変化によって、今となっては不要となった不動産をそのまま所有しているケースなどもあります。

こういった不動産は、所有していても固定資産税の負担や維持管理の手間がかかり続けるため、少しでも早く処分できるに越したことはありません。そのため、多くの人は地元の不動産会社などに相談して、その売却活動を試みることになります。しかし、地方過疎化の進行なども相まって、大半の不動産はなかなか買い手・借り手が見つからずに、売りたいのに売れない歯がゆい状況に陥っているのが実態です。
 
売却苦戦をしている不動産の所有者の中には、市町村役場などに寄付を申し出て、譲渡する形で処分を目指す人がいます。その人達の考えとして、「実際に不動産を使用せずに持て余しているくらいならば、売却益などは諦めてでも、行政に活用してもらって世の中に少しでも貢献できたら嬉しい」という考えの下で、寄付を試みているようです。

ところが、実際にはこの寄付がうまくいくことは滅多にないようです。そこで、この記事では、「市町村役場に対して要らない不動産を寄付することは、どうしてうまくいかないのか」とともに、寄付以外の売却処分の選択肢についてご紹介します。

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