はじめに
授業料に加えて塾代が膨らむケース
中学受験を乗り越えて入学したものの、授業のレベルの高さについていけず、塾に通い始めるケースも少なくありません。特に進学校では、授業の進度が速く、内容も高度なため、塾でのフォローが必要になることもあります。高校生にもなると大学受験のためだけでなく、大学の推薦枠確保のため、学内の評定を上げるべく塾に通う生徒もいます。
また、中高大一貫校の魅力は、内部進学で大学までエスカレーター式に進めることですが、必ずしも全員が内部進学するとは限りません。
希望する学部が併設大学にない、学力的に内部進学が難しい、国立大学や海外の大学、専門学校を目指すなど、様々な理由で外部受験を選択するケースがあります。
外部受験をする場合、大学への内部進学者が多い学校は、カリキュラムが内部進学を前提としていることが多いため、塾や予備校に頼らざるを得ないのが現状です。また、中高一貫の進学校でも授業以外に予備校のように手厚い対策がある学校もあれば、校風として勉学もそれ以外も生徒の主体性・自主性を重んじる学校もあるため、入学した学校の大学受験体制(外部受験へのサポート体制)を確認し、進路希望に合わせて進学費用を準備する必要があります。
塾の費用は、種類、コース、通塾回数によって異なりますが、年間数十万円から数百万円かかることもあり、塾代と授業料のダブルパンチは経済的負担が大変大きくなります。さらに、お金の面だけでなく、子どもの学力や学習意欲、学校の先生の意見、そして子どもの心身の負担を考慮して慎重に検討しましょう。
無理なく教育費を準備するためのステップ
中学受験合格後も、様々な費用がかかることをご理解いただけたでしょうか。これらの費用を無理なく準備するためには、計画的な資金計画が不可欠です。以下のステップで、教育費の準備を進めましょう。
1. 将来かかる教育費の総額を試算
学費、行事費、部活動費、お小遣い、進学費用など、具体的な項目ごとに費用を洗い出します。中学・高校・大学の各段階で、どのくらいの費用がかかるのか、おおよその見通しを立てましょう。予算が立てにくい場合は、中学1年間の支出を記録し、それを基に2年目以降の費用を予測してみましょう。
また、冒頭でお伝えした私立中学校の年間学校教育費以外にも、文部科学省では補助学習費(塾など)やその他学校外活動費(体験活動など)も公表していますので、以下年間の学習総額も参考にしてみましょう。
他にも、学校のパンフレットなどに載ってない情報は、部活の保護者会で先輩保護者からの聞くことも多く、大変リアリティがあります。子どもが先輩から情報を入手してくる場合もありますよ。
2. 教育費の準備方法を検討
次に、概算で出した教育費を準備していきますが、すでに社内預金、財形預金、目的別預金、定期預金など、しっかり給与天引きし、確実に積み立てしているご家庭は多いかと思います。他にも、個人向け国債などの金融商品も手堅い運用方法です。
また、NISA等の運用で資金を作っているご家庭は、売却のタイミングに注意が必要です。いざ教育費が必要な時期に暴落していると、泣く泣く元本割れで解約というリスクがありますので、利益確定のタイミングに留意しましょう。
学資保険の場合は、契約者の死亡時等の保障がありますが、途中解約では元本割れのリスクがあります。満期で受け取ることを基本としていきましょう。
また、中学生になると部活で帰りが遅くなるお子さまが多く、手もかからなくなりますから、このタイミングでパートからフルタイムへの切り替えなど、働き方を見直し収入を増やすことも得策です。親が働いている背中を見せるのも教育になるかもしれません。
中学受験合格は、お子さまの成長の大きな一歩ですがゴールではありません。これからの6年間、あるいはそれ以上、お子さまの成長を支えるためには、教育費をはじめとする様々な費用が必要です。
合格の喜びを胸に、しっかりと将来を見据え、計画的に準備を進めましょう。そして、お子さまが充実した中学生活を送り、夢に向かって大きく羽ばたいていくことを、心から応援しています!
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