はじめに
投資をする方は殆どの方が資産を増やすことや守ることを目的に取り組んでいるわけですが、「富裕層」「億り人」を目指す方もいらっしゃると思います。
日本における富裕層の定義は純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を指しますので、富裕層=億り人といえるかもしれません。
2023年の野村総研のデータによれば、富裕層は約153.5万世帯存在し、超富裕層(5億円以上)の11.8万世帯と合わせると、合計で165.3万世帯となっています。 この数は2005年以降で最多です。
特に2013年以降、アベノミクスによって日本の株式市場が大きく上昇したことを契機に株式や投資信託などの資産価値が上昇。コロナなど急落はあったものの過剰流動性(市中のカネあまり状態が継続している)などを背景に富裕層・超富裕層の世帯数および純金融資産総額が増加しています。
さてこれから資産形成、富裕層になることを目指す方にとっては、富裕層への仲間入りを目指すために1億円の資産形成が一つの目標となりそうです。
投資で富裕層になるにはどれくらいかかる?
この目標を達成するためには、「安く買って安く売る」ということを早期に繰り返して売買益を積み上げていくことが目標への近道で理想的ではありますが、それは難易度が高いと感じる方は時間を味方につけた複利効果を活用した長期的な資産運用が有効です。
例えば、オルカン投信として新NISAでも人気のeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の過去の騰落率は過去1年で25.6%、過去3年で74.2%、2018年10月31日の設定来ですと177.1%の高リターンとなっています(25年1月末の月次レポートより)。
また同ファンドのベンチマークとなっているMSCI オール・カントリー・ワールド指数 (ACWI)は年率平均10年で10.32%、1987年の年末からだと平均8.43%成長しています。
あくまで過去のデータですが仮に年8%成長すると仮定して計算してみましょう。
初期投資額なし、毎月の積立のみの場合、月10万円を8%で積み立てると25年7カ月で1億円に到達します。月7万円を8%で積み立てると29年7カ月で1億円に到達するようです。月3万円でも8%で積み立てると39年6ヶ月で1億円に到達する計算なので、30歳だと70手前で富裕層となります。
若い方はいかに早めに始めておくかが大切かお分かりいただけると思います。複利の力は長期だとものすごい効果を発揮しますので若いうちから長期的に投資を続けることが、負担を減らしながら資産形成を成功させるポイントとなるでしょう。
ちなみに年間利回り5%で運用すると1億円を目指すなら月額10万円で32年11カ月、月額6万円で41年7カ月かかる計算となります。
上記のシミュレーションは、金融庁の「つみたてシミュレーター」を参考にしています。 このシミュレーターを活用することで、自身の投資計画に合わせたシミュレーションが可能です。想定する期間や資金量は個々人によって違うと思いますのでご自身の投資戦略を立てる上でもぜひ調べてみてください。