はじめに
ここ数日、東京でも凍つくような厳しい寒さとなりました。そのせいか、街では、ダウンコートを着ている人が目につきます。そんなとき、ついついロゴを確認してしまうのが投資家の常。やはり目につくのは、「ザ・ノース・フェイス」です。
それほど多くの人と会うわけでもない私の目にこれほど止まるのですから、かなり売れているのでしょう。となれば、投資対象として物色するしかありません。
今こそ買いタイミング…ではない?
ご存知の方も多いかと思いますが、「ザ・ノース・フェイス」は、ゴールドウイン(8111)が展開しています。スポーツ関連企業は、アフターコロナで一気に拡大したこともありおおむね堅調で、つい最近ではアシックス(7936)が上場来高値を更新したところです。
さぞやゴールドウインも堅調かと思いきや、株価は2023年6月を天井に、ずるずる右肩下がりで低迷中。高い時には13,735円と個人ではなかなか手が出しづらい株価だったところ、現在は7,100円程度と約半値まで下落しています。ポジティブに考えれば、今こそ買いタイミング?と思わないでもありません。
こういった街角で「いいかも!」と思う銘柄に出会ったとき、その感覚だけで投資するのは危険です。とくに株価が下げているときは、その原因を掘り起こし、改善する見込みがあるのかを考える必要があります。
ゴールドウインの業績推移は?
売上は堅調に伸びていますが、営業利益は成長率が鈍化し、今期は減益予想となっています。ちなみに、2024年3月期は、売上、営業利益ともに過去最高の数字でした。株価の下落は、2023年の6月から始まっていますので、業績の低迷が顕在化する半年くらい前から先んじて動いていたことが分かります。
今期2025年3月期は、売上が伸びて、営業利益が大きく減益予想のため、営業利益率が前期18.8%から13.6%へと大幅低下します。
もともと当社は高利益率の優良企業として投資家から高い評価を得ていました。売上の80%近くが「ザ・ノース・フェイス」によるもので、訪日客からも非常に高い人気を得ています。実際、わたしが電車の中で見かけた外国人の方も「ザ・ノース・フェイス」のダウンジャケットを着ていました。引き続き「ザ・ノース・フェイス」の人気は続くと思われますが、なぜ、これほど営業利益率が低下しているのでしょう?