はじめに
NISAの口座開設数は、2024年9月末時点で約2,508万口座となり、実に国民の5人に1人が口座を保有しています。投資への関心が高まると同時に、お金についてしっかり学びたいという方も増えているように感じます。今回はお金の学びに関するお勧めをお伝えします。
NISAとiDeCoはどう学ぶのがいいか
筆者はファイナンシャルプランナーとして、セミナーイベントや企業研修の講師としてお金にまつわるお話をしています。最近は、みなさん投資に対する関心がとても高く、どこに伺っても熱心に話を聞いてくださいます。
限られた時間の中で、NISAやiDeCoといった制度の詳細までをお伝えすることは困難な場合も多いので、そういう場合はそれぞれのオフィシャルサイトをご紹介してあとで学びを深めていただくことにしています。
例えば、NISAであれば金融庁の「NISA特設ウェブサイト」が挙げられます。ここでは、NISA制度の解説の他、資産形成の基本として投資を始めるにあたり知っておきたい「長期・積立・分散」の考え方、家計管理やライフプラン、主な金融商品の概要などを学ぶことができます。
また、NISAの活用事例や各種シミュレーションもあるので、具体的な資産形成をイメージするのに役立ちます。例えばつみたてシミュレーターを利用すると、いつまでにいくらの資産を創るためには、今いくら積み立て、何%程度での運用が必要なのかなど試算することが可能です。
筆者も、お客様のご相談の際にこのシミュレーターをご覧いただき、運用で得られる資産の成長を感じてもらうと共に、お客様が取るべきリスクと取らなくても良いリスクを見極めていただく参考にしていただいています。
投資の世界では、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンといって、リターンを求めるにはそれに見合ったリスクを受け入れざるを得ない実情があります。仮に目標額の達成において、それほど大きなリターンが必要ないのであれば、不必要にリスクを取る必要もなくなります。また必要なリターンが高い場合は、リスクをどこまでとれるのか、あるいは毎月の積立額を上げることによってリスクを抑えながら資産形成ができないかなど今後のイメージをつかんでいただくことができます。
iDeCoの場合は、厚生労働省の「iDeCo公式サイト」が良いでしょう。このサイトの特徴としては、マンガや動画での学びの場が提供されていることです。iDeCoはNISAと比較すると制度が少し複雑なので敬遠されがちですが、マンガや動画であればとっつきやすい、わかりやすいと評価されやすくなります。
また、「動画で学ぶiDeCo特設サイト」では、公的年金についての解説もあります。ここの情報だけで年金について理解ができるのかといえばそうではないと思いますが、さらっと「ねんきん定期便」の見方などポイントを知りたい場合には有効です。
年金についていえば、筆者が理事を務める一般社団法人公的保険アドバザー協会のサイトもぜひご覧になっていただきたいところです。特にトップページの「クイックねんきん試算」は無料でお使いいただけるアプリとなっています。
ご自身のねんきん定期便を手元にご用意いただき、指定された場所の数字をいくつか入力するだけで、将来年金がいくらくらいもらえるのか試算することができます。秀逸なのは、スライドバーを利用し、繰上げあるいは繰下げをした場合の年金額も瞬時に確認ができるので、ぜひ一度やってみていただければと思います。