はじめに
入学準備費用は実際どれくらいかかる?
入学準備費用は、入学金や制服代などがあります。学校種別の入学準備費用の内訳は、以下のとおりです。
画像:文部科学省「令和5年度子供の学費調査」をもとに筆者作成
これに加えて遠方から通学する場合は、定期代が多く必要となりますし、地方から都市部へ進学して一人暮らしをする場合には、引っ越し費用や住居費もかかります。
そのため、入学準備の時期にあたる3〜6年ごとに、学費とは別に進学先に応じて約10万円〜70万円、場合によってはそれ以上の資金を準備しておく必要があります。
中期・長期の二つの資金計画で教育費を備えよう
では、学費と入学準備費用は、それぞれどのように準備すればいいのでしょうか。
学費は長期運用で貯める
将来の学費を長期的に貯めるためには、まず「教育費全体の目標金額」を設定することが必要です。
家庭によって経済状況や価値観はさまざまです。たとえば、世帯年収が高くても教育費を最低限の費用にとどめる家庭もあれば、世帯年収が低くても、他の支出を削って教育費の優先度を高くしている家庭もあります。自身の家庭の状況や教育の考え方に合わせて、目標金額を設定しましょう。
また、実際にライフプランで「教育費全体の目標金額」を設定する場合、塾や習い事の費用もあわせて把握する必要があります。年間の教育費は、他の支出とのバランスが崩れないように(世帯年収の10%~20%を目安)判断しましょう。
長期的に資金を貯める方法は、預貯金・学資保険・つみたてNISAなどがあります。これらは元本保証の有無、利回りの違いなど、それぞれ特徴が異なります。
画像:筆者作成
自身が重視したいポイントを考えながら、最適な運用方法を選びましょう。
入学準備費用は特別費用で管理
入学準備費用を中期的に備えるためには、家計管理による「お金の見える化」が効果的です。まずは入学準備に必要な支出と時期を明確化します。
そして進学までの期間に、一定額を積み立てていきましょう。例えば、年間12万円を準備したい場合は、国から支給される児童手当を活用し、特別費用専用の銀行口座を作って毎月1万円を積み立てると、家計に負担をかけることなく計画的に貯めることができます。この入学準備費用は「特別費用」として家計とは別に管理しましょう。