はじめに
チャンスに変える行動
リセッションは危機であると同時に、長期的にはチャンスを生むこともあります。事前に戦略を立てて急落して過剰に売られたところを買う行動には優位性があると言えるでしょう。
投資の神様といわれるウォーレン・バフェット氏は割安株への投資で有名ですが「恐れるべき時に貪欲であれ」という投資哲学をお持ちです。周りが恐怖に陥っている時こそ、財務基盤が強固でブランド力など定性面の強みを持つ企業の株式を安値で購入する好機と言えるでしょう。
同様に、安定した配当を支払い収益性が高く、財務良好でキャッシュフローが安定している企業も狙ってみては良いのではないでしょうか。加えて公益株といわれる医療、消費財、公益事業などのディフェンシブセクターは絶対必要なビジネスを行っているためリセッションの際でも相対的に強いといえます。
またインバース型のETF(下落すると価格が上がるETF)などを利用してポートフォリオ全体の下落リスクを軽減したり下落局面を利益に変えることも可能です。例えば日経平均の下落時ならNEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信(1571)などがあります。本株と同じ様に東京時間に売買できるので取り入れやすいと思います。
上級者はオプション取引も
また投資が得意な方は、オプション取引(「権利」を売買する取引)を活用することで、予期せぬ株価の下落に備えることができます。例えば、「プットオプション」を購入すると、特定の価格で株価指数を売る権利を手に入れることができます。これにより株式市場が大きく下落した場合でも、その権利を行使することで損失を抑えたり、利益を得ることが可能です。
たとえば日経225(日経平均株価)のオプションの場合、現在の日経平均株価が3万7,000円だとします。このとき、3万5,000円で売る権利を得られるプットオプションを購入しておくと、仮に日経平均が3万4,000円まで急落しても、3万5,000円で売ることができるため、大きな損失を回避できます。さらに、下落幅が大きければ、その権利自体の価値が高まるため、オプションを転売することで利益を得ることも可能です。
市場の急落時には感情的な判断を下しがちですが、それが損失を拡大させる原因となります。冷静な判断を下すためには、事前に戦略を立てておくことが重要ですので、ポートフォリオを見直しておく、急落したら買いたい銘柄のリストを作る、インバース型ETFやオプションを調べておく、ポジションを取っておくなど、備えておいていただけるとピンチをチャンスに変えられるのではないでしょうか。
この記事が皆様の投資の一助になれば幸いです。
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