はじめに

もし高額請求がきたらどうする?

事前準備をしっかり行っていても、退去後に高額な請求書が届くことがあります。実際に、筆者も約4年間住んでいた賃貸マンションを退去する際、管理会社から届いた解約精算の明細書を見て驚きました。その請求額はなんと 181,340円! 内訳は以下のとおりです。

・ルームクリーニング費用:83,250円
・エアコンクリーニング費用:15,000円
・壁紙張替え費用:58,605円
・その他諸費用:8,000円
・消費税:16,485円

しかし明細書が届いても、すぐに支払う必要はありません。以下のステップで冷静に対応しましょう。

1. 原状回復義務を理解する
借主は退去の際、原状回復の義務があります。しかし、これは「新品の状態に戻すこと」ではありません。国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、借主が負担するのは以下の場合です。

・故意や過失による傷・汚れ
・特約で金額が明記されているクリーニング代

一方で、以下は貸主が負担するため、借主に支払い義務はありません。

・自然損耗(経年劣化による汚れ、日焼けした壁紙など)
・通常使用による消耗

2. 耐用年数を確認する
壁紙や床材には法定耐用年数が定められており、その残存価格に応じて負担額が決まります。たとえば、壁紙の耐用年数は6年ですが、5年住んだ物件の壁紙はほぼ価値がなくなっているため、張替え費用を全額負担する義務はありません。

3. メールで交渉する
退去費用が不当だと感じた場合は、必ず記録が残る形(メールなど)で交渉しましょう。筆者がメールで指摘した内容は以下のとおりです。

・壁紙張替え費用に支払い義務のない経年劣化分も含まれていること
・契約書にクリーニング費用の金額が明記されておらず、金額は不当であること
・ガイドラインに基づいた減額を求めること

その結果、経年劣化による壁紙の張替え費用とクリーニング費用が減額され、最終的に自己負担額181,340円が33,400円まで下がりました。

まとめ

退去費用を最小限に抑えるためには、事前準備と冷静な対応が不可欠です。

  • 火災保険を活用する
  • 貸契約書を確認する
  • 部屋の掃除と写真撮影を行う
  • 高額請求にはガイドラインをもとに交渉する

不当な高額費用を請求されると、気持ちが滅入ってしまうかもしれません。ですが、そこであきらめずに強い意志を持って立ち向かってください。

正しい知識と対策があれば、不当な出費を防ぐことができます。節約したお金は、新生活のスタートに役立てるなど、自分や家族の楽しみに使いましょう!

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