はじめに
おひとりの老後生活を送る人は、令和6年版高齢化白書によると約672万人。男性は約231万人、女性は約441万人です。65歳以上の人口に占める割合は、男性15%、女性22%です。
2050年には、単独世帯は1084万人に増えると予想されます。男性は約451万人、女性は633万人で、65歳以上の人口に占める割合は、男性26.1%、女性29.3%です。
現在は夫婦二人暮らしの世帯であっても、いつかはひとりになるのです。老後のひとり暮らしは、高齢者のすべてにあてはまる問題です。では、具体的にどのような問題があるのでしょうか? そして、解決する方法はあるのかを探ってみます。
老後ひとり暮らしの不安
ひとり暮らしの高齢者の不安は多いです。
- 身体の衰えや認知症などで、家事などの日常生活を維持するのが難しくなったらどうしよう
- 病気やケガなどで入院するようになったらどうしよう
- 退院してから、自分ひとりで生活はやっていけるのか
- 心身の機能がさらに低下したときの住まいを見直すべきなのか
- 死んだ後の葬式や財産などはどうなるのか
など、不安の内容は違えど、みんなが抱えることでしょう。しかし、これらの不安の中に見落としがちな問題が隠れています。
たとえば、「転んで動けなくなった」「病気で倒れた」などの場合、緊急入院をすることになりますが、身元保証人が必要になります。もしも身元保証人がいないと、病院をたらい回しにされる可能性があります。病院としては受け入れる必要がありますが、治療費や入院費が未払いとなるリスクがあります。意思疎通ができなくなった場合には治療計画を決めることができなくなり、万が一、亡くなった場合には、死後の手続きの問題も生じます。
もし、入院できたとしても、パジャマや下着などを自宅に取りに戻るわけにも行きません。誰か対応できる人がいればいいですが、もし意識を失った状態になった場合には、連絡をつけることもできなくなります。
たとえ預金を数千万円持っていたとしても、意思の疎通ができない場合には、そのお金を使うこともできないのです。
介護施設に入居する場合にも保証人が必要
賃貸住宅の契約時にも保証人が必要です。収入が年金しかない場合には、毎月の支払いを不安視されることもあります。
また、孤独死などの問題が発生すると、瑕疵物件となるリスクもあるので、入居を断られることも多く見受けられます。これらの理由で65歳以上の高齢者が賃貸住宅に入居するのは、ハードルが高くなることもあります。
さらに介護施設に入居する場合にも、契約時には本人以外の署名が必要になります。「緊急時の連絡先」は必ず求められます。施設利用料金以外にも、体調悪化で病院への入院が必要になった場合には、施設に変わって対応する人が必要なのです。