はじめに
「長期・分散・積立」の基本戦略を再確認
まずは資産形成を考えるなら「長期・分散・積立」の基本戦略を再確認することです。VUCA時代には、長期的な目線で投資をする場合には、短期的な価格変動に一喜一憂するのではなく長期視点に立った運用が求められます。たとえば、時間分散(積立投資)、資産分散(株式・債券・REITなど)、地域分散(国内・海外)といった分散の工夫は、相場の変動に対してポートフォリオ全体のリスクを軽減する効果があります。
特に積立投資は「ドルコスト平均法」によって、株価が下がったときに多く買い付けることができ、長期的に平均取得単価を下げることが可能です。さらにリスク管理の基本は「余裕資金での投資」を心がけること、そして市場の急激な変動に備えるためのキャッシュポジション(現金)を確保しておくことです。
投資の「軸」を確認
加えてVUCA時代の特徴の一つは、「正解が一つではない」という点です。特定の銘柄やセクターに過度に依存するのではなく、自分自身の目的や価値観に沿った投資が大切になります。バフェット氏は「私は株を買う理由を1ページ書き続けられないなら買わない。間違っているかもしれないが、私はいつも理由を把握している」と語っていますが、自分がなぜこの銘柄や商品に投資をするのか、企業や商品の成長性や利回りとともに、子供の教育資金を備えるためや老後資金を形成する、社会的意義のある企業を応援するためなど自分の目的や投資の軸も明確にすることで、相場の変動にもブレない姿勢を保ちやすくなるといえます。