はじめに

結論:為替ヘッジは必要ありません

もちろん、逆に日本の金利が海外金利を上回った状態で為替ヘッジを行うと、金利差分だけヘッジプレミアムを受け取ることができます。

しかし現状、日本の金利が米国の金利を上回るようなことは起こりにくいため、少なくとも米ドル建ての株式や債券、あるいは預金で運用する限り、為替ヘッジをかけるとヘッジコストを負担せざるを得ません。それでも為替リスクを回避するために、ヘッジコストを払っても為替ヘッジをかけるかどうかは、大いに議論が分かれるところでしょう。

ただ、米ドル/円に関して言うならば、為替ヘッジをかける必要は、ほとんどないのかも知れません。

たとえば米ドル/円の年間の米ドル高値と安値を抽出し、その中央値に対する高値と安値の乖離率を計算すると、過去46年間の平均値は±8.66%でした。もちろん年によってバラツキがあり、直近では2022年が±14.49%と大きかったのですが、この10年間で2ケタ%のブレが生じた年は、この2022年の他には2016年のみで、2019年などは±3.66%しかありませんでした。ちなみに直近では2024年が±7.42%です。

この数字を見ると、冒頭でも触れた「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のような株式を組み入れて運用する投資信託をはじめとして、株式関連商品に投資する場合は、為替ヘッジは必要ないと考えられます。2025年に入ってからは比較的、為替が大きく動いたので、株価要因に匹敵する程度に、為替要因での損失額が大きくなっていますが、長期的に見れば、為替レートのボラティリティは、株価のそれに比べて小さいからです。

海外の株式を組み入れて運用する投資信託のなかには、為替ヘッジありのコースを設けているものもありますが、長期投資を前提にするならば、選ぶ必要はないでしょう。

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