はじめに
金利低下局面では「利回りが高く、償還期限が長い債券」を保有
金利低下局面では、残存期間の長い米国債を購入し、保有を続けることで、そこから高金利を受け取るようにします。
たとえば、下図のような①〜③の利付債があったとしたら、おすすめは①です。ここに挙げた3つの債券のなかでは一番残存期間が長く、利回りが高くなっています。また利率も高いですし、単価も100を切っています。
<金利低下局面の投資戦略>
著書「マンガと図解でよくわかる 最高の米国債投資術」(ソシム)より抜粋
金利低下局面では、利回りが高く、残存期間が長いものを選ぶ、近辺の債券と比べ価格が割高になっていないものを選ぶことで、その後市場金利が下がったとしても、高い金利を受け取り続けることができます。
利回りが高く、残存期間が長い債券を購入したら、あとはそのまま保有していればいいのですが、必ずしも満期まで保有を続ける必要はありません。
市場金利の低下は、債券価格の上昇を意味します。残存期間が長く、利率が高いものほど、大きく値上がりします。ですから、ある程度値上がりしたところで売却することで、売却益を得ることもできるでしょう。
値上がり益を狙った米国債投資がしたいならば、「利付債」よりも「ストリップス債」がベターです。
トランプ関税の影響があっても、米国は強い
米国のGDPは約29兆ドル。2位の中国(約18兆ドル)を引き離して世界一です。かつて世界2位だった日本は4位で約4兆ドルです(以上すべて2024年時点)。
日本は人口減少が進んでいますが、国連の推計によると今後中国やインドでも人口が減少します。しかし、米国は主要先進国の中で唯一人口が増加。2024年時点で約3.4億人の人口は、2050年に約3.8億人、2100年には約4.2億人になると予想されています。
人口が増えると、経済活動が行われ、経済成長が続くことが見込まれます。名目GDP上位5カ国の推移・見通しを見てみると、米国は右肩上がりで、力強さが際立っています。
<名目GDP上位5カ国の推移・見通し(1980年〜2029年)>
著書「マンガと図解でよくわかる 最高の米国債投資術」(ソシム)より抜粋
短期的に見たら、米国経済の先行きは分かりませんが、長い目で見たら今後も伸びていくことが予想されます。米国債へ投資しない理由にはならないでしょう。
米国債へ直接投資をしなくても、投資信託やETFを通じて間接的に米国債に投資することもできます。ポートフォリオの一部に米国債を組み込むことを検討してはいかがでしょうか。
※本記事は投資助言や個別の銘柄、金融商品の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。