はじめに

ニトリとの比較――似ているようで、異なる成長戦略

一方、ニトリもまた堅調な業績を維持しています。ニトリの強みは、家具・インテリアを中心に、低価格で質の高い商品を大量に供給できる点です。SPA(製造小売)モデルを徹底し、商品開発から物流までを自社で管理しているため、コスト競争力は非常に高いです。

ただし、ニトリの海外売上比率はまだ10%台にとどまっており、今後の成長は「海外進出の成否」にかかっています。これに対して、無印良品はすでに海外売上比率が40%近くまで高まっており、グローバル市場での実績に差が出ています。

また、ニトリが「商品ジャンルを広げる」戦略をとっているのに対し、無印良品は「世界共通のライフスタイルを提案する」という方向性でブランド価値を高めています。このブランディング戦略の違いが、両社の海外展開スピードにも影響しているといえるでしょう。

もちろん、無印良品にとってもリスクはあります。米中摩擦による消費者マインド悪化や為替リスク(円高進行)などは、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ただ、すでに世界中に店舗網を広げ、特定市場への依存度を下げている無印良品は、こうした外的リスクへの耐性を持っています。そのあたりを投資家からも高く評価されているのでしょう。

株価は今も高値圏にあり、予想PERは28倍とけっして割安ではありません。ただ、トランプ関税の影響が大きそうな企業の株は買いづらいことを考えると、まだまだ投資家の触手は伸びてくるかもしれません。また、信用倍率が0.55倍と売り残が多いことから、受給がよいため、上がりやすい素地があります。

株式市場が不安定な今の環境では、関税の影響が軽微な銘柄を、順張りで買う戦略のほうが有効かもしれません。

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