はじめに

株主優待が市場の発展につながるか

政府は、2022年にNISAの拡充を柱とする資産所得倍増プランを公表しています。具体的には投資経験者の倍増を目指し、5年間でNISA総合口座数を現在の1700万から3400万へと倍増させることを目指して制度整備を掲げました。また、5年間でNISA買付額を現在の28兆円から56兆円へと倍増させると明記しています。なお、2024年末のNISA口座数は約2560万口座です。

日本の株式市場は、個人投資家が一定の存在感のある市場構造であり、株主優待は、個人の株式投資へのきっかけとしても大きな役割を果たしています。日本の家計金融資産残高は、2024年6月末で2212兆円となっています。ただし、家計が保有する有価証券の割合も、直近(2024年度)22.4%まで上昇しているものの、バブル期(88年)の33.4%を下回っている状況です。

個人投資家から見た株主優待の魅力として、保有株数が少なくても受け取れたり、5万円以下と比較的少額から始められる株主優待付きの株式もあったりと、少額での投資でもメリットを享受できることや分散投資の観点からも効果的です。

同研究会では、株主優待の権利を直接享受することが難しい機関投資家や海外投資家が、権利を放棄した場合には放棄した株主優待相当額を寄付する形で社会貢献型の株主優待の権利を間接的に享受し得るという見方もできるとしています。また、株主優待が株式市場の全体的な発展につながるとも考えられるとも締めくくっています。

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