住宅ローンの繰上げ返済と投資、余剰資金はどっちに回す?
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回の相談者は、潤沢な金融資産を保有する45歳の主婦。住宅ローン減税が終了するタイミングでこの資産を繰り上げ返済に回すか、投資に回すか悩んでいるといいます。FPの高山一恵氏がお答えします。今年度末で住宅ローンが10年を迎え、住宅ローン減税が終わります。今ある現金をローンの返済にあてるべきか、ローンを返済せずに運用に回すべきか、悩んでいます。現在、住宅ローンは変動金利0.6%で借りています。今のところ夫婦でiDeCoとNISAは始める予定です。子供のためにジュニアNISAも始めようと思っています。それ以外の余剰金で新たに投資信託を購入するか、もしくは早々に住宅ローンを返済してしまうか、どちらがいいのでしょうか。娘の高校、大学の学費がこれから必要になってくるので、あまりリスクは取りたくないと考えています。アドバイスよろしくお願いいたします。〈相談者プロフィール〉・女性、45歳、既婚(夫:会社員)、子供1人(私立中2)・職業:パート・居住形態:持ち家(戸建て)・手取
長期で資産運用を行うことをすすめる理由
金利を実感しにくい日本でお金を育てるには?
連載『お金の育て方』を読んでいる方は、これから資産運用をはじめてみようという人も多いかと思います。過去の記事でも述べてきましたが、資産運用をするのであれば長期投資が基本と考えています。当然、短期間で大金を稼げた方がいいわけですが、そんなおいしい話は世の中にはなかなかありませんし、あったとしても同時に高いリスクを背負うことになるかと思います。資産運用の目的は人によってさまざまですが、大事なお金を扱うので、過度にリスクを取るのは得策ではありません。今回はなぜ「長期」にこだわるのかを解説していきたいと思います。
好条件の投資信託を勧められ…本物かニセモノか?見抜くポイントは
明らかに有利な宣伝文句には裏がある!
つみたてNISA(積立NISA)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)によって、投資信託が身近なものになった方も多いでしょう。とはいえ投資信託はまだ玉石混交の世界。中には好条件をうたいながら、実は高い手数料を支払っていたり、儲かりにくい構造になっていたりする投資信託もあるのです。今回は、そんな投資信託を勧められて「これいいかも?」と思ったときに、チェックしたいポイントを紹介します。
為替リスクを抑えても高利回りって本当?円ヘッジ付き外債の仕組みとは
裁定取引を利用した円債代替商品
円ヘッジ付き外債というものをご存知でしょうか。円ヘッジをしない外債投資に比べて為替リスクが小さくなる一方で、世界中に投資先を探しにいくことで、同種の日本の債券(以下、円債)よりも相対的に高いリターンを獲得しようとする投資です。元本保証はないものの、円債の代わり(円債代替)として検討されることの多い円ヘッジ付き外債ですが、なぜ円債よりも相対的に高いリターンが期待できるのでしょうか。今回は、この円ヘッジ付き外債の仕組みについてお伝えします。
FRBの姿勢変化でも1ドル=110円前後のレンジ相場が続く理由
購買力平価は一段の円高を支持?
「君子は豹変す」、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のことです。今年に入りFRBの姿勢がハト派にシフトしたのは明らかで、ドル円相場の環境は昨年とは明確に変化したと言えます。また、以前から市場の一部では購買力平価に比べて円の水準は割安という声も聞かれています。今後は円高リスクが高まると考えるべきでしょうか。
離婚直前に購入したマイホーム、返済していけるか不安
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は、マイホーム購入後に離婚をした34歳シングルマザーからの相談です。手取り月収28万円に対して、住宅ローンの残債は3120万円。貯蓄もままならない中、小さな子供を抱え、この先ローンを払い続けられるか不安だといいます。賃貸に引っ越せば、年間50万円浮くといいますが……。FPの洲崎メイ氏がお答えします。2歳7ヵ月の娘と私の二人暮らしです。娘は保育園に通っています。離婚直前に新築マンションをフルローンで購入しましたが、シングルマザーの身で、この先払い続けられるのか不安です。また、賃貸にすると年間で50万円浮く計算になり、貯蓄ができていない今、賃貸に移り住むべきなのか悩んでいます。ただ、このマンションがとても気に入っているので、気持ち的にはずっと住み続けたいです。〈相談者プロフィール〉・女性、34歳、バツイチ、子供1人(2歳)・職業:会社員・居住形態:持ち家(マンション)・手取りの世帯月収:28万円・毎月の支出目安:28万円・貯金:250万円・投資:400万円・負
銀行不要論にNO!“投資のプロ”が「三菱UFJ株」を推す理由
極端に売り込むのは過剰反応だ
昨年末の急落から、緩やかではあるものの持ち直し基調にある日本株市場。しかし、そんな状況下でも、銀行株の多くは値下がりが続いています。銀行業の未来に関して、暗い話が増えているからです。一番の問題は、低金利が長期化する中で預貸金利ザヤ(貸付金利と預金金利の差)の低下が止まらないことです。金融庁が2018年9月に出した「金融レポート」によると、地方銀行の約半数(54行)が低金利に追い詰められ、本業である貸出・手数料ビジネスが赤字に陥っています。今のような低金利が続くと、本業が赤字の銀行の数は年々増えていくことになります。筆者は、持続可能な収益を稼いでいくメドの立たない地方銀行株には投資すべきでない、と考えています。ただし、すべての銀行株が投資に値しないわけでもありません。過去にファンドマネージャーを25年間務めた筆者が今、積極的に投資していって良いと考えているのは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)です。
ネット銀行は信用できない?結婚する彼との共通口座の選び方
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は洲崎メイ氏がお答えします。同棲をしているパートナーがいます。お互い結婚を意識しているので、共有の貯蓄用口座を作ることになったのですが、どこの銀行で口座開設したらいいのかわかりません。金利の高いネット銀行をすすめたのですが、「信用できない」と言われてしまいました。自分達に合った貯蓄用口座を選ぶ基準やポイントなどを教えていただきたいです。〈相談者プロフィール〉・女性、24歳、未婚・職業:アルバイト・居住形態:賃貸・手取りの世帯月収:公表したくない・毎月の支出目安:公表したくない
戻りが鈍い日本株と109円台の為替レートの謎を読み解く
今後は期末要因に注意
今年に入り、NYダウ平均(米国株)は5%超上昇していますが、一方で日経平均株価(日本株)の上昇は約3%に留まっています。また、為替(ドル/円)も110円台を目前にして、109円台での足踏みが続いています(執筆時点)。日本株の戻りが鈍い理由としては、円高による業績悪化懸念があると考えています。為替を決定する要因にはさまざまなものがありますが、今回は私が重視している4つの考え方をご紹介しながら、為替の現状について解説したいと思います。
極端な円高警戒は時期尚早と言える3つの理由
根強い円高シナリオへの反論
FRBの利上げ停止観測の強まりや米景気の先行きに対する過度の懸念後退、さらには米中通商交渉の進展期待を背景に、投資家の過度の警戒姿勢が和らいできました。足元のドル円相場は1ドル=109円台後半と、年初の急激な円高が進行する以前の水準を回復してきました。ただ、米国の政府機関閉鎖が長期化して実体経済に影響を及ぼしつつあるとの見方が強まっているほか、英国の欧州連合(EU)離脱交渉も混迷の度を増していることなどから、円高リスクを指摘する声は絶えません。市場では、2015年8月の中国人民元切り下げをきっかけにFRBが利上げを休止し、翌年秋にかけて1ドル=100円割れまで急速な円高が進んだことの再来を懸念する向きが多いようですが、今回は相応の円高抵抗をみせる公算が高いと判断しています。その理由をご説明します。
J.P.モルガン人気ストラテジストの資産運用講座!
イベントレポート
2018年11月18日、品川・グランドプリンスホテル新高輪内の国際館パミールで開催されたイベント「お金のEXPO 2018」。本イベントでは、お金のプロが「お金が貯まる」「お金を増やせる」賢い方法や、お金に困らないための家計改善の方法、知っていると得をするお金の知識をお伝えしました。当日開催されたセミナーの中から、本記事ではJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社グローバル・マーケット・ストラテジスト重見吉徳氏によるセミナー「J.P.モルガンの人気ストラテジスト重見による資産運用講座!」についてご紹介します。
「金利を気にする」だけで人生が変わる?
知らなきゃ損!ラクして得する節約術 その6
コツコツ頑張るのではなく、ラクして得する節約術をご紹介する「知らなきゃ損! ラクして得する節約術」の最終回は金利のお話です。金利とは、お金を借りる際に借入金額に応じて支払う利子(利息)の割合のことです。みなさんの身近な金利と言えば、預金金利、住宅ローン金利、車のローン金利、クレジットカードの分割やリボ払いの金利などがありますよね。お金を貯めている人は金利との付き合い方が上手です。詳しくみていきましょう。
近づく「リスクオフ円高」の足音、2019年の為替見通し
“改善の極み”に差し掛かる世界経済
主要な金融商品の2019年相場について、業界を代表する専門家に聞く短期集中連載。2回目は為替、中でもドル円相場の見通しを、みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔さんに聞きました。2018年の金融市場では米中貿易戦争やブレグジット(英国のEU離脱)問題の再燃が注目されましたが、ドル円相場は値動きに乏しい展開が続きました。新しい年のドル円相場はどうなるのでしょうか。
5人家族、貯蓄が2000万あっても子供の教育費と老後が心配
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。貯蓄はあるのですが、今後の教育費や老後資金が大丈夫かどうかが心配です。5年前に1200万円の頭金を入れて、マンションを購入しました。300万円ほどの自家用車も購入しましたが、その後の貯蓄は2000万円ほど残っています。基本的に倹約した暮らし方を意識しており、住宅ローン以外の分割払いやローンは利用しません。色々工夫し、毎月10万円ほどは貯蓄できています。今後は将来のために、教育費をしっかりと払いつつ、住宅ローンを繰り上げ返済し、生活に困らない資金をしっかり貯えて老後生活に入りたいと考えています。特に上の双子の子の貯蓄を増やすためにできることや、今は貯蓄でしか資産を持っていないので、運用もしたほうがよいのかどうかについて知りたいです。〈相談者プロフィール〉・女性、44歳、既婚(夫:46歳・会社員)、子供3人(中2、中2、小5)・職業:会社員・手取り世帯月収:57.8万円 夫:35.6万円 妻:22.2万円 ・手取り年間ボーナス:11
市場に忍び寄る景気後退懸念は本物か?
市場不安心理との戦い
米国の株式市場は先週末にも大きく下落しました。現在、株式市場を巡る様々な悪材料が取りざたされています。これらの悪材料の背景にあって、市場の不安心理を増幅させている要因は、米国の景気後退懸念(リセッション入り懸念)であると思われます。では、本当に景気は後退する局面に来ているのでしょうか。現在悪材料の1つとされている米国金利をベースに考えてみましょう。
40代共働き夫婦の「ローンがあって当たり前」が危険な理由
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のもとへ、実際に家計相談に訪れた方のお悩みをご紹介します。※相談者の了承を得た上で掲載しています
先取り貯蓄月12万、足りない生活費は「リボ払い」で穴埋め
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。40代に突入したので、そろそろ将来を見据え、自分自身をコントロールできるようになりたいと思っています。私は貯蓄があると思うとすぐ使ってしまうたちなので、給料が入るとすぐ12万円を定期預金に入れています。その残りで生活するのですが、お金が足りるのかどうかが心配で、ついクレジットカードを使ってしまいます。クレジットカード払いにするのは、主に飲み会代や洋服代、旅行費など、自分が「イレギュラー支出」と捉えた出費です。そのクレジットカード分の支払いは、金額に波があると生活が乱れるので、リボ払いで一定になるように保っています。貯蓄は切り崩したくなく、クレジットカードを利用しているのですが、だんだん支払額も増えてきているので、支出全体を見直すことが必要なのかなと思っています。クレジットカードの支払いが難しいときは、キャッシングを利用することもあり、それはボーナスで清算しています。お金を使ってしまうたちでも、貯蓄を作りながらうまくやりくりする方
ドル円相場を見通すために押さえたい“2つのポイント”
頼りになるのは実需の資金フロー?
未来を予想することはそもそも難しいのですが、為替市場を見通すことは一筋縄ではいきません。また、通貨は2国間の相対的な力関係でレートが決定されるため、絶対的な価値基準がありません。つまり、割高、割安の判断を主観的なものに頼らざるを得ないことも為替の予想を難しくしています。今回は、この難しい為替相場を見通すには何を見ればよいのか、現状の市場動向を踏まえながらご説明します。