はじめに
新年度を迎え、何かと慌ただしかった4月が終わり、気分が沈みがちになる「5月病」を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、この時期、お金の使い方にも変化が現れることがあるのです。
この衝動的な「ストレス散財」は、家計の負担になるだけでなく、自己嫌悪やさらなるストレスの原因にもなりかねません。そこで今回は、5月病によるストレス散財の原因を探り、無駄遣いを防ぐための具体的な対策を紹介します。
なぜ5月はストレス散財が起こりやすいのか?
4~5月というと、新年度が始まり新しい環境に慣れるまでの過渡期です。その過渡期特有の気持ちの“揺らぎ”が、知らず知らずのうちに散財を引き起こす原因ではないでしょうか。
4月は新社会人、異動、進級、引っ越しなど、目まぐるしい変化の中で無意識に心身の疲れが蓄積されていきます。5月に入ると、それまで張りつめていた気持ちが一気に緩み、「ちょっとくらい自分を甘やかしてもいいよね」とお金を使ってしまいやすくなります。また、「4月は頑張った」という達成感や解放感も重なり、財布の紐が緩むきっかけに。「頑張ったご褒美のつもりが、気がつけば散財していた」ようなことが起こってしまうのです。
そして、ゴールデンウィーク後の穴が空いたような虚無感も原因になります。連休中に旅行や遊びを満喫した後、日常生活に戻ると「現実に引き戻された」という気持ちが強くなります。特に、ゴールデンウィークにお金を使い過ぎた人は、「楽しい時間が終わってしまった…」という虚無感から、気持ちを埋めるために衝動買いをしやすくなります。
そんな連休後ですが、4月から変わった仕事の評価はまだ定まらず、「頑張っているのに成果が出ない」「思ったほど認められていない」と感じやすい時期でもあり、ますますストレスを抱えてしまうのです。
このように、5月は、自分自身も揺らぐ時期である上に、季節の変わり目で天気も揺らぎます。その影響で体調を崩しやすいこともストレスの一因になります。このような状況が続くと、無意識のうちに「せめて好きなものを買って気分を盛り上げよう」と考えてしまうのも納得ではないでしょうか。
一時的のように感じるストレス散財ですが、放っておくと浪費癖になりかねません。そうなる前に対策を考えてみましょう。