はじめに

確定申告を行った場合の確認方法

確定申告を行った場合、所得税還付と住民税控除の両方を確認する必要があります。

1.所得税還付の確認

「確定申告書」の「還付される税金」の項目でも確認できますが、医療費控除や住宅ローン控除を受けている場合は、合算されて記載されるため、ふるさと納税による控除額を個別に把握することが難しくなります。そのため、所得税の控除額を正確に計算するには、以下の計算式を使用しましょう。

・(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率×1.021(復興特別所得税)=所得税の控除額
所得税率は、個人の課税される所得金額に応じて適用される税率のことです。

※国税庁№2260所得税の税率|表を元に筆者作成

≪例≫
ふるさと納税寄付金額合計/60,000円
課税される所得金額/290万円

この場合、所得税の控除額は
(60,000円-2,000円)×所得税率10%×1.021≒5,921円になります。
※所得税率は課税所得290万円の場合の適用税率(10%)を使用

2.住民税控除の確認

ワンストップ特例制度の場合と同様に、「住民税決定通知書」の「摘要欄」または「税額控除額」を確認します。

3.所得税還付と住民税控除を合算

住民税控除額+所得税還付額≒ふるさと納税額-2,000円

≪例≫
ふるさと納税寄付金額合計/60,000円
所得税還付/5,921円
住民税控除/52,078円

この場合、所得税還付5,921円+住民税控除52,078円=57,999円で、およそ58,000円です。これに自己負担分の2,000円を足すと、ふるさと納税の寄付金額合計の60,000円とほぼ同額になり、正しく控除されていることがわかります。

控除額が寄付金額より低い場合

控除額が想定より低い場合、以下の理由が考えられます。

  • ふるさと納税の寄付金控除上限を超えている
  • 住宅ローン控除が大きい(税額控除の影響)
  • ワンストップ特例制度の申請ミス(6自治体を超える寄付を行ってしまったなど)
  • 確定申告の申請ミス

ただし、これらはあくまで一例であり、他にも様々な要因によって控除額が低くなることがあります。

筆者も毎年ふるさと納税の控除額を確認していますが、簡易シミュレーションで算出した限度額で寄付した年は、数千円オーバーしてしまうことがありました。

そのため、限度額いっぱいまでふるさと納税をしたい場合は、直近の源泉徴収票を使い、詳細シミュレーションで正確に計算するか、簡易シミュレーションを利用する場合は、算出された金額より1万円ほど低めに設定すると、控除額が寄付金額を下回るリスクを避けられます。

住民税決定通知書の控除額が計算と異なる場合や、疑問がある場合は、自治体や税務署に問い合わせましょう。

ふるさと納税の控除額は毎年答え合わせしよう

ふるさと納税は、「寄付をしたら終わり」ではありません。正しく控除が適用されているかを確認するまでが大切なプロセスです。家計管理の一環として、毎年の控除額をしっかりチェックし、ふるさと納税を賢くお得に活用してくださいね。

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