はじめに
「早く資産を増やしたい」 投資を始める際、多くの方が抱く期待ではないでしょうか。特に近年、将来への備えや資産形成への関心が高まる中で、投資の世界に足を踏み入れる方は増えています。しかし、期待先行で始めてしまうと、大切な資産を大きく減らしてしまう可能性が潜んでいます。
投資は将来の資産形成において有効な手段となり得ますが、同時に注意すべき点も多く存在します。投資を始めたばかりの方や、これから始めようと考えている方が、特に注意すべき投資について、その理由とともに解説していきます。
なぜ投資初心者は慎重な判断が必要なのか
投資の世界には、「リターン(収益)とリスクは表裏一体」という原則があります。リスクとは、怖いものというより、値動きの幅が大きいものと理解する方が妥当です。
一般的に、大きなリターンが期待できる投資は、それ相応の価格変動の可能性を伴います。つまり、短期間で資産が大きく増える可能性がある一方で、大きく減る可能性もあるということです。
市場は常に様々な要因で変動しており、その動きを正確に予測することはプロの投資家でも困難です。経験が浅いうちは、市場が予想外の動きをした際に冷静な判断を下すのが難しく、感情に流されて売買してしまったり、損失が拡大しているにも関わらず、「いつか戻るはず」と期待したりしてしまい、結果的に傷口を広げてしまうことがあります。
また、投資に回すお金が日々の生活に必要な資金なのか、それとも当面使う予定のない余裕資金なのかを明確に区別することが非常に重要です。投資はあくまで余裕資金で行う、という基本を忘れてはいけません。
投資初心者は、まずその仕組みや特性をよく理解し、ご自身がどの程度の価格変動まで受け入れられるのか(許容度)を把握した上で、慎重に投資対象を選ぶ必要があります。