はじめに

3. 体験型・高付加価値路線で選ぶ銘柄

外国人観光客の“コト消費”志向に対応した日本ならではの体験や高付加価値商品を提供する企業にも注目です。

テーマパークなどの娯楽施設に加えて、UFOキャッチャーを展開するGENDA(9166)や、ボウリングやカラオケ、スポーツ施設を併設した複合レジャーを展開するラウンドワン(4680)なども、外国人観光客からの人気を集めています。

4. 多言語・越境EC対応で訪日客に適応する企業

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多言語対応や越境EC(海外向けネット通販)への対応を積極的に進める企業は、訪日客の利便性向上により今後ますます恩恵を受ける可能性が高いです。特に、IT投資やデジタル化を積極的に行い、多様な言語での決済や通販環境を整備している企業は、インバウンド需要の成長を継続的に取り込める可能性が高いといえます。

5. 地方観光と“食”の魅力で差別化

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最後に地方に特化した観光需要を取り込む企業にも注目です。訪日客はリピーターが多く、東京・富士山・京都・大阪といった「ゴールデンルート」以外への関心も高まっています。地方空港や交通機関、地域密着型の宿泊施設、観光地向けのサービスを展開する企業も投資先候補になり得るでしょう。

投資初心者にもわかりやすく、体験しやすい「日本食」に関連するインバウンド銘柄に注目してみるのはいかがでしょうか。2024年から、ぐるなびが選考する「今年の一皿」に、インバウンド観光客向けの特別賞「インバウンド賞」が新設され、ラーメンが受賞しました。世界的な日本食ブームの象徴ともいえます。

世界を魅了する日本のラーメン関連銘柄としては、博多ラーメンの「一風堂」で知られる力の源ホールディングス(3561)や「町田商店」などを手掛けるギフトホールディングス(9279)などたくさんあります。「丸源ラーメン」などを手掛ける物語コーポレーション(3097)は、ラーメンだけでなく、焼肉きんぐで訪日外国人の和牛や焼肉体験のニーズも取り込んでいます。幸楽苑ホールディングス(7554)は地方にも強みがあり、町中華としても人気。私個人としては「ラーメン山岡家」の丸千代山岡家(3399)は道産子としても10年以上前から注目していましたが、株価上昇は目を見張るものがあります。

さらに、日本といえばSUSHI! 大阪万博とインバウンド戦略の二重取りともいえる関西地盤の回転寿司チェーンのくら寿司(2695)や、海外展開に力を注ぐスシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES(3563)。そして、すしロボットで国内外に圧倒的シェアを持つ鈴茂器工(6405)も関連銘柄です。余談ですが、しょうゆなど日本の調味料にも海外での関心が高まっており、キッコーマン(2801)なども広義のインバウンド関連といえるかもしれませんね。

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