使用価値は同じなのに何が違う? プルーフ貨幣

冒頭で触れた通り、さいたま支局では、収集家向けのプルーフ貨幣セットの製造がメインになっています。

プルーフ貨幣は通常の貨幣よりもプラスアルファの工程を施し、より丁寧に製造されています。そのため、プルーフ貨幣セットは高価なものとなりますが、貨幣の価値は同じです。コイン収集家にとっては、コレクターズアイテムとして美しいまま保存されることに意味があるのです。

では、通常貨幣とは一部異なる、プルーフ貨幣の製造工程を見てみましょう。

1.円形脱脂・焼鈍(しょうどん)

本局から届いた円形は、まず、専用の洗浄装置でゴミや油を除去します。その次の作業が焼鈍です。模様をつきやすくするために円形を熱して柔らかくします。

2.洗浄

プルーフ貨幣はできるだけ傷がつかないように丁寧に並べられ、酸で洗浄していきます。

3.円形研磨

研磨装置に、円形と研磨材を入れて振動させます。これは、円形を研磨していく作業です。円形と研磨材が擦り合うことで表面を滑らかにし、光沢を出します。所要約1〜2時間程度。研磨後の円形は、変色防止のために、すぐに乾燥させます。

4.圧印・検査

乾燥を終えた円形は、圧印を施すためプレス機にセットされ、模様がつけられます。通常貨幣は1回の圧印のところ、プルーフ貨幣はより鮮明な模様にするため、表裏同時に2回圧印します。

こちらが、出来立てホヤホヤのプルーフ貨幣10円玉。通常貨幣とはまるで違う輝きを放っています。収集家でなくても、使うのをためらってしまいそうです。

5.防錆塗装

圧印が終わると、プルーフ貨幣の変色を防止するために、貨幣全体に防錆(ぼうせい)塗料を塗布します。

6.検査・ケース組み込み

続いて目視で検査。ひとつひとつ、手にとって表裏をルーペで確認します。その後は機械でケースに組み込まれます。

以上が、プルーフ貨幣の工程です。美しさのために手間を惜しまず製造されているのがよくわかりますね。


貨幣が作られる工程を知ると、お金に対する見方が少し変わったような気がしませんか?

造幣局では、工場の一般見学が可能です。自由見学、ガイド付きツアー(要予約)とどちらも無料。実際に足を運んでみてはいかがでしょうか?

>造幣局さいたま支局
埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-190-22、さいたま新都心駅から徒歩12分、9時〜16時30分(入館は16時まで)、入館無料、TEL:048-645-5899

文=佐藤成美 撮影=造幣局さいたま支局(一部) 今田壮(風来堂)