現在、日本国内で製造されている通常貨幣は1円玉から500円玉までの6種類。世の中に流通する前にどうやって誕生しているのか、みなさんご存知ですか?

日本の全貨幣の製造をするのは、独立行政法人の造幣局。今回はお金の製造工程へ潜入してみました。


造幣局ってどんなとこ?

造幣局は明治新政府により、幣制の確立を図る必要から現在地の大阪に創設され、明治4年4月4日に創業式を挙行し、貨幣の製造を開始しました。その後、時代の要請に応じ、勲章類、金造工芸品の製造や貴金属製品の品位証明、貨幣セットの販売事業も行っています。

また、造幣局ではさいたま市、広島市に支局を置き、さいたま支局では収集家向けのプルーフ貨幣の製造を中心に行っています。そのうち、広島支局は3局で唯一の一貫貨幣製造ラインを持つ工場となります。ということは、日本の貨幣、実は全てが〝広島産〟なのです。

では、貨幣ができるまでの工程を、順を追ってのぞいてみましょう。

造幣局の工場見学

1.溶解

まず貨幣の原料となる銅・ニッケルなどを電気炉で溶かし、連続鋳造装置(れんぞくちゅうぞう)で鋳塊(ちゅうかい)を造っていきます。

お金の元になる原料の鋳塊は、銅などの金属を溶かしたあと、型に流し込んで固めたもの。そのための溶解炉は広島支局にしかありません。

2.圧延

圧延とは圧力をかけて伸ばすことであり、大きく2つの工程に分かれます。まず、熱間圧延です。鋳塊を均熱炉で加熱していき、鋳塊が形を変えやすい、高温の間に所定の厚さに圧延していきます。(写真上参照)。次に、冷間圧延では常温で粗圧延、仕上圧延を行い、貨幣の厚みにまで仕上げて巻き取っていきます。これを圧延板といいます。

3.圧穿(あっせん)

圧延板を、それぞれの貨幣の直径に合わせた円形に打ち抜いていきます。クッキーの型抜きをイメージすると分かりやすいかもしれません。円にくりぬかれた状態のものを円形(えんぎょう)と呼びます。ここで、やっと貨幣の丸い形になるのです。

ところで、円形を打ち抜いた後の金属板は、どこへ行くのか気になりませんか?もちろん廃棄するわけはなく、広島支局へ運ばれます。そして、溶解されて再び鋳塊へ。貴重な資源を無駄にせず、原材料は全て、貨幣になるのです。