はじめに
以前、TENTIAL(325A)が決算発表後に2営業日連続ストップ高になった事例を紹介しました。わたしは、決算発表前にすべての株を売却していたため、決算後の爆上げの恩恵を受けることができませんでしたが、その判断に後悔はないと、強気でいい放っております。その理由については、記事をご参照いただくとして、今回は大きく調整してきた今、改めて購入すべきかどうかを考えてみたいと思います。
参考記事:株を売却後にストップ高…、決算前に売るか、持ち越すかはどう判断する?
現在の株価状況
2025年8月期第1四半期決算が発表された6月13日以降、株価は4営業日後の19日に高値6,540円を記録。しかし、その翌日にはストップ安をつけ、そこからは一転して下落基調に。7月7日には安値3,945円を記録し、決算前の株価すら下回る水準まで調整しました。わずか2週間で約40%の急落です。
決算内容は決して悪くなかったため、ここで買いを検討している投資家も少なくないでしょう。私自身、TENTIALの愛用者として、日々株価チャートを見ながら買い戻すタイミングを慎重にうかがっています。
そもそも、なぜここまで下落したのか
高値掴みしてしまった投資家の中には、モヤモヤした気持ちを抱えている方も多いでしょう。株価下落の主な要因として、次の4点が考えられます。
2. 全体相場の逆風 :世界的な金利・為替・地政学的リスクの増大で、株式市場全体が重い。特にグロース株は影響を受けやすい
3. 競合激化と差別化の難しさ: リカバリーウェア市場に新規参入が相次ぎ、差別化の不透明感が売り要因に
4. 需給バランスの悪化: 連続ストップ高後に信用買いが急増。利益確定売りや新規空売りで需給が崩れた
この中で特に重要なのは、4つ目の「需給バランスの悪化」だと私は考えています。
<受給悪化による急落メガニズム>
決算発表日以降の、信用買い残の推移を見ると、
直近の信用買い残892,000株は、当社の発行済株式数(7,547,100株)の12%に当たり、これは明らかに過熱状態で、過去と比較しても高水準です。さらに、6月13日→20日→27日と、株価が下落する中でも信用買い残は増加。これは下落局面で「買い向かった」投資家が多いことを示しています。その多くは含み損を抱えている可能性が高く、損切り売りが連鎖的に株価を押し下げる展開になりやすい状況です。
7月7日に特に新しい材料がない中で7%近く下落し、出来高が前日の倍近い47万9,000株に増加したのも、こうした投げ売りの一因かもしれません。