はじめに

株価の急変時、投資家に意識される「水星逆行」。天体の動きが投資家心理に影響を与え、相場にも何らかのアノマリーが現れることがあります。水星逆行は相場を動かすのか? 季節性に関連する投資格言や、注意したいイベントカレンダーについて、投資判断にどう活かすべきか多角的に考察します。


水星逆行とは? 投資家が注目する理由

相場が急に荒れたり株価が急落する際に「水星逆行」というワードが意識されます。直近でも「水星逆行で急落はありますか?」と質問を受けました。今回は水星逆行について投資家がどう考えるべきか考察できればと思います。

「水星逆行」というのは、天文学的には「水星が地球から見て逆方向に動いているように見える現象」のことです。実際には水星が本当に逆走しているわけではなく、地球と水星の軌道の関係で、地球から見た場合にそう見えるだけの現象です。

占星術の世界では、「水星逆行の期間はコミュニケーションエラーや情報伝達ミス、交通機関のトラブルが起きやすい時期」と言われてきました。この不安定なムードが株式市場や為替市場に影響を及ぼすのではないかと考える投資家もいます。テクニカル分析やファンダメンタルズ分析と並行して、天体の動きといった“非科学的”な要素も投資判断の一材料とするわけです。

金融占星術は古くから存在し、リーマンショック、コロナショックなど大きな相場変動と重なることがあるため、たびたび注目されます。水星逆行を投資判断に使う投資家は、月の満ち欠けや、金融占星術(アストロロジー)、アノマリーを重視する傾向があります。例えば、満月の翌日は底打ちしやすいと言われているようです。過去のデータから、満月の時期は投資家心理が不安定になりやすいと捉え、相場の転換点や乱高下の兆候とするのだとか。

天体が市場を動かす?「自己成就的予言」としての側面

ここで私個人の意見を申し上げると、天体の動きが市場に直接的な影響を与える科学的証拠はありませんが、投資家の多くが意識することで「自己成就的な予言」となり、市場に実際の影響が現れる可能性はあると考えています。近年はSNSやメディアによる“パニック売り”が増えているため、水星逆行による投資家心理への影響にも注意しておきましょう。

もちろん、水星逆行などの天体の動きだけに頼ることは推奨しません。移動平均線やRSIなどのテクニカル指標、また足元での相場がどうなのかファンダメンタルズ面も加味し、複合的な判断材料のひとつとして利用するのが良いのではないでしょうか。

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