はじめに
水星逆行はいつ? 2024年の動きと2025年の予想
科学的根拠がないことに関しては、2024年の水星逆行を見てもわかります。
8月5日~8月28日(獅子座→乙女座)に関しては、急落からの大きな戻しのタイミングでした。しかし、4月1日~4月25日(牡羊座)、11月25日~12月15日(射手座)は大きくは動きませんでした。このように、一貫した相関性があるとは言えないようです。
ただ、今回取り上げた2025年の水星逆行は、第1回である3月15日〜4月7日(牡羊座→魚座)の時期に動いたことや、先週にS&P500、ナスダックがともに終値ベースでの最高値を更新したことにより、過熱しています。トランプ関税の先行き懸念もあるなかで、第2回となる7月18日〜8月11日(獅子座)に水星逆行が起こります。取引量が低下することで相場が停滞する「夏枯れ相場」も手伝って、株価が急落する可能性があります。
2025年は11月26日~12月16日にも水星逆行が起こりますので、気になる方は、今後も水星逆行カレンダーを意識しておくと良いのではないでしょうか。
繰り返しますが、一定の影響やアノマリーが現れることを考慮して参考にする価値はあるものの、過信せず他の指標と組み合わせて活用するのが現実的です。
相場の季節性と格言:「セル・イン・メイ」の実用性
統計学的な根拠に基づいた、季節性の経験則についても共有しておきます。相場が荒れやすい時期は意識しておくに越したことはないでしょう。
「セル・イン・メイ(Sell in May)」という相場格言をご存じですか? 直訳すると「5月に株を売れ」という意味で、統計上で3月と4月は上がりやすく、5月はまちまちで、6月は下げやすい傾向にあるからです。ヘッジファンドの決算期が5月から6月にかけて集中するため、利益確定の売りが出やすい時期と重なり、春の好調な相場が5月に一旦落ち着くイメージから来ているのかもしれません。
「セル・イン・メイ」には続きがあり、「Sell in May, and go away, don't come back until St Leger day.」——つまり、相場格言の通りの投資行動をするならば、5月に株を売ってしばらく離れ、9月半ば以降に戻ることになります。St Leger day(セントレジャー・デー)とは、毎年9月の第2土曜日にイギリスで開催される有名な競馬の大レースの日のことです。
統計上では7月にはいったん上昇する傾向にありますが、7月後半〜8月は市場参加者が夏季休暇に入り市場の出来高が減少するので夏枯れ相場で注意が必要。調整もしやすいタイミングです。そして10月以降は、年末までクリスマスラリーという相場格言もあるように総じて上げやすい、と考えると、「セル・イン・メイ」は結構実践的な格言です。
しかしながら10月は歴史的に大暴落が多い“魔の月”とも言われるので、10月に様子を見ながらエントリーし、むしろ急落があればチャンスと捉えると良いかもしれません。