はじめに
第3の場面:金融危機の後で、下落前の水準まで回復したタイミング
金融危機という大きな壁を乗り越えても、意外なところにもう一つ挫折しやすいポイントが待っています。
最も注意が必要なのが、相場急落後の回復時に待っている「やれやれ売り」の誘惑です。金融危機で相場が急激に下がった後、徐々に相場は回復し、一度はマイナスになった資産が、またプラスに転じます。
すると、プラスになったタイミングで、一定の人は「いまのうちにやめてしまおう」と考えます。相場の急落を経験した後、回復したときに「やれやれ」という気持ちで売ってしまうので、このような行動を「やれやれ売り」と呼びます。
ウェルスナビの利用者の行動データを見ても、2020年のコロナ・ショック後のタイミングなど、相場が回復した時点で「やれやれ売り」が発生する傾向が見られます。
長期投資は、続けることで徐々に効果を実感できるようになる
次のグラフは、ウェルスナビの運用期間別に、利用者のデータを集計したものです。
図版タイトル:リターンがプラスの「ウェルスナビ」利用者の割合(2025年6月末時点)
始めて半年、1年という時期には、マイナスのリターンの方がそれなりに多くいることがわかります。しかし、2年目になると、9割以上の方はプラスのリターンになっています。さらに運用期間が長くなるにつれて、プラス20%以上のリターンの割合が増えていきます。
長期投資の効果を見るには、5年という期間はまだ短いといえます。ただ、続けることで、長期投資の成功に向けて前進しているイメージを持つことができるでしょう。安定したリターンを得られる時期まで、いかに我慢できるかが重要です。
短期的な相場の状況に合わせて行動を変えたくなることがあるかもしれませんが、長い目で資産を増やすことを目指して、資産運用を続けていきましょう。
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