はじめに
コクヨ(7984)
2025年7月30日に2025年12月期第2四半期決算を発表。売上高1,852億円(前年比+3.5%)、営業利益176.9億円(+11.1%)で着地しました。営業利益は予想比で10.6%超過。同時に売上高は通期予想から2.5%下方修正しましたが、これはビジネスサプライ事業における第1四半期での立ち上げや商流タイミングのズレによる売上計上の遅れが要因です。一方、営業利益は4.2%上方修正。国内オフィス需要の強さや価格改定、原価低減による減価率改善が寄与しました。
現在の株価は917円(8月5日終値)で、今期一株益予想から計算したPERは20倍。当社の3年平均PERは14倍程度なので、やや割高感があります。コクヨのオフィス家具事業は売上全体の約半分で、全体に対するドライバー力はやや弱めかもしれません。
イトーキ(7972)
2025年 8月4日に2025年12月期第2四半期決算を発表。売上高792億円(前年比+9.3%)、営業利益106.2億円(+54.8%)で着地しました。同時に、通期予想から売上高を3.4%、営業利益を4.3%上方修正。従来の3期連続過去最高予想をさらに上乗せしました。
国内家具事業が売上の約81%を占め、前年比+8.9%の増収で好業績を牽引。特筆すべきは、新築より既存オフィスのリニューアル案件が圧倒的に多く、国内家具事業の87%を占めている点です。空間デザイン・コンサルを起点に、オフィス家具+内装+サービスを一体提供することで付加価値を高め、売上総利益率の改善も見られます。さらに、保有商談額は前年同期比で2025年下期+16pt、2026年上期+14ptと高水準で、下期以降の売上見通しも良好です。
株価は2,425円(8月5日終値)で、今期一株益予想から計算したPERは14.4倍。当社の3年平均PERは11倍程度なのでやや割高ですが、業績の良さを考えるとコクヨより伸び代がありそうです。
オカムラ(7994)
2025年8月8日に2026年3月期第1四半期決算発表を控えています。5月9日に発表された2025年3月期決算は、売上高3,145億円(+5.4%)、営業利益239億円(-0.4%)でした。それほど目立つ数字ではありませんが、2026年3月期の通期予想では営業利益270億円(+12.8%)と二桁増益を見込み、1〜3月の売上高・営業利益が四半期ベースで過去最高だったことが評価され、株価は決算発表日から20%程度上昇しています。
当社はオフィス環境事業が売上の約53%を占め、イトーキ同様にリニューアル需要が継続しています。株価は2,437円(8月5日終値)で、26年3月期の予想一株益から計算したPERは10.1倍と3社の中で最も低く、3年平均PER9.7倍との差も小さい状況です。8日の決算で好調な進捗が示され、上方修正期待が高まれば、まだ天井には早いと考えられます。配当利回り4%超という点も投資家には魅力的です。
オフィスのリニューアル需要は「一過性」ではなく、オフィスビルの更新サイクル、働き方の再定義、人的資本経営など複合的要因によるものです。そのため、少なくとも今後3年程度は持続すると考えられます。投資テーマとしてまだ視聴率が高くない今だからこそ、コツコツと買い集めていくのも面白いのではないでしょうか。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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