はじめに
「ポケモンGO」の快進撃が止まりません。アメリカでのスマホ配信を皮切りに、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、イギリスとなんと全ての地域でトップセールスランキング1位になっています(7月14日22時)。
こんなアプリは今までにありません。ポケモンなんて言ってますが、「バケモン」アプリです。日本の配信は16日までと言われていますので、これをお読みになっているころには、「パズドラ」「モンスト」を抜いて、日本でも1位を取っているかもしれません。
株式市場も「任天堂(7974)」を祝福しています。リリースがあった7月6日の株価は14,380円、ドイツでも1位を取った7月14日はなんと25,300円!わずか1週間で時価総額が1兆5千億円も増えています!新規上場する「LINE」2つ分も増えた計算になります……。
お祭り騒ぎになっていますが、果たしてこの爆上げは正当化できるんでしょうか。実は「ポケモンGO(Pokémon GO)」は任天堂が直接リリースしたものではなく、任天堂の業績に与える影響がいまいち見えてこないんです。
そこで、「ポケモンGO」が任天堂にもたらす収益を、極めてざっくりと、時には持論?を交えながら試算してみました。ザ・フライ井村のLet'sカブトク!
「ポケモンGO」の年間売上高は2000~3000億円くらい!?
アメリカでは、公開してから4日間で14億円を売り上げたと報道されています。これをベースに考えるとアメリカでの年間売り上げ1000億円程度はいけるんじゃないかと。
また、日本で大ヒットしたパズドラやモンストの年間売り上げは良いときで1500億円。「ポケモンGO」も同程度ヒットすると考えると年間1000~1500億円。
その他、欧州でもすでにバカ売れ。今後、中国を中心とするアジアでも配信していくと考えていくと、これら地域で少なくとも500億円はいけそうです。
合わせると年間2000~3000億円は決して夢物語ではないと思います。ね、ざっくりとしているでしょ(笑)。
http://www.pokemon.co.jp/ex/PokemonGO/
任天堂は「ポケモンGO」の売り上げの一部しかもらえない!?
ここからが難しいところ。実は「ポケモンGO」はアメリカの「ナイアンティック」という会社が開発・販売を手掛けていて、おそらく売り上げはいったんここに入ると思われます。が、その前にまず、GoogleやAppleといったスマホOSプラットフォーマーに30%取られてしまいます。
そして、もう一つ大事なことが……。
ポケモンのライセンス等権利は任天堂が持っているわけではない!?
ポケモンは、任天堂だけで開発したわけではありません。なので関係各社が出資し、「株式会社ポケモン」を設立し、ポケモンの権利関係を管理しています。
「ナイアンティック」は、ポケモンを使わせてもらうために、使用料として恐らく売り上げの3%程度を(株)ポケモンに支払うことになると思います。
でも、ここでも大事なことがあって、任天堂は、この(株)ポケモンに32%出資をしています。なので、任天堂はポケモンがもらった使用料の32%を利益に計上できます……ややこしいですが、最後にまとめて計算しますのでしばらく我慢してください。
売上を握る「ナイアンティック」には任天堂と(株)ポケモンが出資している
どんどんこんがらがって参りましたが、このナイアンティックには、他にもあのGoogleも出資しているんです。
理論的には、ポケモンGOで稼いだお金は出資した人たちで分けると考えられます。任天堂の出資比率は分からないですが、お決まりのざっくりで2割とさせてください。