はじめに
政策金利の引き上げを受けて、変動金利型の基準金利が上昇しています。なかには金利が1%を超えたというご家庭もあり、「まさかこんなに上がるなんて…」と返済明細を見て青ざめた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
金利が上がれば、これからの返済額は確実に増えていきます。一日も早い対策が最良の選択に繋がります。この状況を「家計を整えるチャンス」ととらえ、未来を見通した選択に変えていきましょう。
なぜ今、返済額が増えているの?
変動金利型住宅ローンの基準金利は、半年ごとに見直されるのが一般的です。原則として利息額は元金に金利を乗じて計算します。金利が上がれば利息は増えるため、毎月返済額は増加します。
たとえば、6,000万円を金利0.8%で借入れ(35年元利均等返済)、11年目に金利が1.3%に上昇した場合、毎月返済額は月1万円増え、その後の利息負担は約300万円増加します。金利が0.5%上がるだけでも、家計に与える影響は決して小さくありません(※実際の影響は借入状況によって異なります)。
ただし、注意が必要なのは、金利が上がったからといって、すぐに毎月の返済額が増えるとは限らない点です。多くの金融機関では金利が上がっても5年間は返済額が変わらない「5年ルール」や返済額が増える場合、増加額は1.25倍までしか上げることができない「1.25倍ルール」といった仕組みを採用しており、これにより返済額の急激な変動を抑えています。
しかしこれは、利息の清算が先送りされるということでもあります。毎月返済額が変わっていなくても、利息額は確実に積み上がっています。今後も金利上昇が続くと、返済計画後半に返済額をさらに増やす可能性があります。