はじめに
「お金が貯まったら旅行に行きたいな」そう思っているうちに、家族の予定がなかなか合わず、タイミングを逃してしまった経験はありませんか? 生活費や予期せぬ出費に追われ、旅行資金がなかなか貯まらない方も多いのではないでしょうか。
そこで提案したいのが、「お金が貯まったら好きなことをする」ではなく、「好きなことをするために、先にお金を確保する」という逆転の発想です。本記事では、FPである筆者が実践する「逆算型」の家計管理術を、具体的なステップでご紹介します。
一般的な家計管理は「余ったら使う」方式
多くの人がとっている家計管理の流れは、
という順番ではないでしょうか。
もう少し計画的な方でも、
といった形が一般的でしょう。
一見すると堅実な方法ですが、この流れでは「好きなこと」や「やりたいこと」が常に後回しになりがちです。月々の生活費が多めにかかったり、家電の買い替えなどの突発的な出費が発生したりすると、旅行や趣味に使うお金が残りません。
その繰り返しで「今月も余裕がなかった」「また来月にしよう」と先延ばしが続き、やりたいことが実現できないまま一年が終わってしまうことになりかねません。
家計管理には、守りの側面(生活費の管理や貯蓄)が必要なのはもちろんですが、人生を楽しむためには、「何にお金を使いたいのか」を明確にして、そのために計画的に資金を作る視点も大切です。
FPが実践する「逆算型」の家計管理
そこでお勧めしたいのが、「やりたいことに使うお金を先に確保する」逆算型の家計管理です。
その年に叶えたいことや楽しみたいこと(旅行、趣味、自己投資など)に必要な予算を、年間の総予算から「先取り」で確保してしまう方法です。必要な予算を先に確保し、残りのお金を生活費や貯蓄に割り振ります。
この順番で予算を組むことで、「やりたいこと」が達成できる目標に変わります。そして、「旅行に行くために生活費をどうやりくりするか」という前向きな発想にシフトすることができます。
筆者自身も、以下のように計画と予算を立て、ゴールデンウィークに家族4人での沖縄家族旅行を叶えました。
沖縄旅行(3泊4日):約50万円(航空券、ホテル、レンタカー、食費、アクティビティ代)
「イベント費50万円」を年間収入から先に確保し、残りの予算を決めました。この計画と予算を夫と共有したことで、「この予算を先に確保するから、今年は旅行を楽しもう」と合意が得られました。
事前に予算を確保し、楽しむ計画を立てていたことで、実現した沖縄旅行では「旅行中にお金を使い過ぎかな?」と心配することなく、安心して家族と旅行を満喫することができたのも、先取り予算の効果です。