はじめに

再びお金のためどき(子育て終了・セカンドライフ準備期)

子どもが独立し、教育費の負担がなくなる時期は、人生で最もお金を貯めやすい「最後のチャンス」です。収入も安定し、自分のために使えるお金が増えるため、この時期に老後資金をしっかり準備することが、豊かなセカンドライフを迎えるための鍵となります。

1. 老後資金の最終準備
退職金や公的年金だけで老後の生活費が不足する可能性を指摘する声は少なくありません。この時期は、iDeCoやNISAの非課税メリットを最大限に活用し、老後資金を積み増しましょう。iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、高い節税効果が期待できます。NISAの大きな非課税枠も、この時期の資産を最大化するための強力なツールとなります。

2. 退職金の賢い運用
退職金は人生で最も大きなまとまったお金となることが多いです。しかし、銀行預金に寝かせておくだけでは、インフレに負けて実質的な価値が目減りしてしまう可能性があります。一部をリスクの低い債券や、バランス型投資信託などで運用することを検討しましょう。

3.健康への投資
医療費がかさむ高齢期に備え、今から健康を維持するための「予防」にお金を使いましょう。人間ドックや健康診断、適度な運動やフィットネスへの投資は、将来の医療費削減につながるだけでなく、アクティブなセカンドライフを送るための基盤となります。

お金のかかりどき(老後)

定年を迎え、収入が年金に限定される老後は、これまでの貯蓄を取り崩して生活する時期です。医療費や介護費など、予測が難しい大きな支出が発生しやすいのがこの時期の最大の特徴です。

1. 年金生活の予算管理
まずは、毎月の年金収入と生活費を明確にし、貯蓄の取り崩しペースを把握しましょう。特に、毎月いくらまでなら使っても大丈夫か、という上限を設定することが重要です。

2. 医療費・介護費への備え
日本では、高額療養費制度や公的介護保険制度など、医療費や介護費の負担を軽減する制度が整っています。これらの制度を理解しておくことが、いざという時の助けとなります。公的制度ではカバーしきれない部分に備えるために、民間の医療保険や介護保険の必要性についても、改めて検討してみましょう。

3. 持ち家を活用した資金確保
持ち家がある場合は、「リバースモーゲージ」や「リースバック」といった選択肢もあります。自宅を担保に金融機関から生活資金を借り入れたり、自宅を売却して一括でお金を受け取り、そのまま賃貸で住み続けたりする方法です。最後の「かかりどき」を乗り切るための手段として、選択肢の一つとして知っておくのも良いでしょう。


人生の各ステージには、それぞれお金を「ためるべき時」と「使うべき時」があります。そして、それは一方向の流れではなく、循環するサイクルであることを理解することが重要です。このサイクルを意識し、先を見据えた計画を立てることで、将来への不安を減らすことができます。

「お金のためどき、かかりどき」という視点を持ち、今日から少しずつでも、豊かな人生をデザインしていきましょう。

「私、同年代より貯蓄が上手にできていないかも…」お金の悩みを無料でFPに相談しませんか?[by MoneyForward HOME]

この記事の感想を教えてください。