はじめに
成功のための段階的アプローチと出口戦略
2拠点暮らしを成功させるには、いきなり物件を購入するのではなく「段階的に検証する」アプローチが有効です。
まずは「短期賃貸」や自治体が提供する「お試し移住制度」を利用して、数週間から数か月間実際に暮らしてみましょう。生活のリズム、地域の雰囲気、買い物や通院の利便性を肌で感じることが不可欠です。
次に、生活費、年金収入、貯蓄取り崩し、投資収益をすべて一覧化し、キャッシュフロー表を作成します。2拠点維持による固定費増加が家計に与える影響を、ライフプラン全体で検証することが重要です。FP相談を利用して、年金見込み額や資産運用収益も含めて複数シナリオを検証し、無理のない維持が可能かを確認することも有用です。
なお、夫婦での合意も必須です。「どちらの拠点をメインとするか」「季節ごとの住み分け方針」「家事や管理業務の分担方法」など、具体的なルールを事前に話し合っておきましょう。
最も重要なのが「終わり方」を考えておくこと。いずれは体力的に行き来が困難になるため、どのタイミングで1拠点に集約するかの判断基準を明確にしておきます。購入物件の場合は将来の売却可能性も検討要素に含めるべきです。
定年後の2拠点暮らしは、健康寿命の貴重な10〜15年を豊かに彩る魅力的な選択肢です。都市部の利便性と地方の自然環境を両立できる理想的なライフスタイルといえるでしょう。
ただし、憧れを現実にするためには、費用・移動・健康・コミュニティなど多角的な課題を冷静に整理する必要があります。FPとしていえるのは、「夢を夢のままにせず、具体的な数字とライフプランで裏付けを取れば、実現は十分可能」ということです。
まずは短期滞在から始め、数字で裏づけを取り、家族と出口戦略を話し合うこと。これが理想の2拠点暮らしを実現する第一歩です。
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