はじめに

一方で気になる「低い純利益率」と「高PER」

とはいえ、投資家として気になるところがないわけではありません。2026年2月期第2四半期の経常利益は1,064億円ですが、純利益はわずか40億円。営業収益に対する純利益率は約0.7%とかなり低水準です。そのため予想一株益から計算される現在のPERは197倍。日経平均株価のPERが18倍程度ですので、いかに高いかお分かりでしょう。

純利益率が異常に低い理由は、金融事業やヘルス&ウエルネス事業の再編に伴う特別損失の計上、第1四半期の最終赤字によるものです。加えて、幅広い事業ポートフォリオの中に赤字や低収益の部門が存在しており、連結純利益の足を引っ張っている面もあります。

つまりこれは「今期の一過性要因による利益圧縮」が大きく影響しており、来期以降の正常化を前提にすれば、今の異常な高PERは目を瞑ってもよいのかもしれません。

上場来高値を更新した今からでも買っていい?

イオンの株価上昇は、短期的なブームではなく、業績回復と構造改革への評価に支えられた“実力相場”です。100万人超の株主に選ばれている企業として、その信頼と安定性は今後も注目されると考えられます。

短期目線で見ると、現在の信用倍率は0.27倍と信用売り残のほうが圧倒的に多いため、今後の買い圧力にもなります。株価が上がれば上がるほど、売り方の買い戻しが入り、ますます上がるといった踏み上げが起こりやすい状況。株価は高値圏ではありますが、短期的にも、中長期的にも魅力があります。単元未満株で少しずつ買って、高値づかみのリスクを分散させつつ買い増していくという投資スタイルは検討する余地がありそうです。

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