はじめに
インフレ突入でメガバンク株の上値余地は十分

現状で、この条件の大半が当てはまる銘柄を考えてみましょう。すると、トヨタやソニー、任天堂のような単体で時価総額が大きい銘柄を除けば、半導体関連株か金融株しか見当たりません。この2つのうち、半導体株に関しては、2022年、保有していた台湾半導体大手のTSMC株の大半を「地政学的懸念」を理由に手放していることに加え、ITバブル時と同様、現在の生成AI相場にも積極的に参加していない(これによって一部では「バフェットは時代遅れ」などと批判する声も上がっています)ことから、この半年間で株価が急騰(アドバンテストの株価は2025年4~10月の半年で5倍に上昇)している日本の半導体株に、これから手を出すとは思えません。
そうなると、残るのは銀行株、それも三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの「3大メガバンク」が最有力候補になると思われるのです。東京海上ホールディングスなどの生損保株も候補として挙げられますが、金利上昇局面における収益力を考えると、やはりメガバンク株に軍配が上がるでしょう。バークシャーがメガバンク株を買ったことが判明すれば、りそなホールディングスやコンコルディア・フィナンシャルグループなどの地銀上位行にも連想買いが入りそうです。
一部では、「バークシャーがバンクオブアメリカやシティグループの保有比率を減らす中、日本の銀行株に手を出すとは考えづらい」との声も聞かれます。しかし、GDPが成長を続け、何度も利上げ・利下げ局面を経験してきた米国経済と、ようやく“失われた30年”のデフレ経済から抜け出し、これから本格的なインフレを迎える日本経済では、まったく事情が違うでしょう。
最近の日本株上昇を背景に、日本のメガバンク株の株価も大きく上昇しました。足元では、日銀の追加利上げによるプラス面が評価され年初来高値を更新するなど好調に推移していますが、それでも、日本経済がようやく長い夜を抜け出したことを考えると、経済の根幹を握っているといっていいメガバンク株の上値余地は、まだまだ大きいと思われます。もし、バフェットが日本のメガバンクに触手を伸ばせば、ここからさらに大化けするに違いありません。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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