はじめに
そろそろ冬のボーナスシーズンですね。ボーナスを受け取る予定のみなさんは、使い道をもう決めていますか?
今回は、この冬みんながどのようにボーナスを活用する予定なのかを、最新のアンケートデータからチェック。2024年のデータと見比べてみると、今年は変化しているポイントが4つありました。
最後に注意点もお伝えしていますので、ぜひご覧ください。
2025年の冬のボーナスの使い道トップ10は?
共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティングによる「Pontaリサーチ」(2025年9月26日~9月29日)にて実施した「第63回Ponta消費意識調査 2025年10月発表」を見ていきます。
1位…貯金・預金(33.8%)
2位…旅行(宿泊を伴うもの)(6.1%)★2024年からややDOWN
3位…食品(ふだん食べるもの)(5.9%)★2024年からややDOWN
4位…財形貯蓄(4.3%)☆2024年の5位からUP
5位…外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店)(4.1%)★2024年の4位からDOWN
6位…投資信託(3.2%)★2024年の2.5%からからややUP
7位…株式(2.6%)☆2024年の2.3%からややUP
8位…衣服(2.2%)
9位…食品(お取り寄せなど、特別なもの)(2.1%)
10位…ローンや借り入れの返済(1.7%)
2024年の冬のボーナスからの変化4つとは?
1年前の冬のボーナスと比べて、筆者が注目したことを4つ挙げます。
1. 投資の割合が増加
1つめは、「投資信託」と「株式」の割合が上がったことです。2024年から2025年にかけて、投資信託は2.5%から3.2%に、株式は2.3%か2.6%にアップしています。
少し前には、日経平均株価が初の5万円台を突破し、米国株式も多少の動きはあるものの、比較的好調です。株価上昇のニュースを耳にする機会が多いことや、日常生活でもNISAの話題が出る機会が増えていることが影響しているかもしれません。
投資に一歩踏み出してみたいと思った人や、投資信託からさらに株式投資に踏み込んでみたり、挑戦したり、すでにいろいろな投資経験がある人は増額を検討したりと、投資に積極的になる人が少しずつ出てきている表れでしょう。
2. 旅行、外食の割合は減少
2つめは、楽しみを伴う項目の割合が、2024年から少し減っていることです。
例えば、「旅行(宿泊を伴うもの)」が2024年6.7%→2025年6.1%、「食品(ふだん食べるもの)」が2024年6.4%→2025年5.9%、「外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店)」が2024年4.9%→2025年4.1%、「衣服 2024年2.3%→2025年2.2%」といった具合です。
また、2024年10位だった「旅行(日帰り)が、10位からのランキング外になっています。
旅行や食品、外食に関するお金は、物価高の影響を特に痛感しているところでしょう。「ボーナスが出たら楽しもう!」という気持ちの余裕が、今年はややなくなっている状況かもしれません。
3. ローン返済が10位に
3つめは、2024年はランク外だった「ローンや借り入れの返済」が、今年は10位に入っていることです。家計のやりくりが困難になり、一時的に借り入れをしている可能性もあります。
また、金利がじわじわと上昇し、住宅ローンを借りている人が、ボーナスで一部繰り上げ返済を検討している人がいる可能性も考えられます。
4. 財形貯蓄の順位が増加
4つめは、「財形貯蓄」の割合が増えていることです。2024年の3.8%から2025年は4.3%にアップし、順位が5位から4位に上昇しました。
財形貯蓄は、一般的には大企業や老舗企業で導入されていることが多く、中小企業に比べて大企業の方が賃金の上昇がみられる傾向にあり、賃金上昇により多少のゆとりができ、財形貯蓄にお金を回すことを検討した人が増えたのかもしれない、と個人的には推測しています。
以上の4点に注目すると、全体的には、投資によってお金を増やそうとしている動きや、物価高や金利上昇により借り入れ状況に変化が起きていること、さらに、楽しみに使うお金の余裕がある人が減っていることがいることが見て取れます。
さらに、ボーナスの使い道について「特にない」と答えた人は、ここ5年間で最も高い9.8%でした。最近は先行き不透明感をますます覚える時代です。「実際に冬のボーナスが出てみないと、その時の自分の状況がわからない」と感じている人が多いのかもしれません。