はじめに

丸千代山岡家(3399)

2位のラーメン山岡家を運営する「丸千代山岡家」は、12月12日に2026年1月期第3四半期決算を発表しています。

売上高312億円(前年比+25.1%)、営業利益35.7億円(前年比+21.9%)と、二桁の増収増益。さらに営業利益の通期予想を従来の39.8億円から44億円へ引き上げています。

コスト増や気候のダメージは、力の源ホールディングスと同様に受けているはずですが、業績は明暗を分けています。その差は、営業モデルの違いによるところが大きいと考えられます。

丸千代山岡家は、自社運営モデルを徹底しているため、外部要因の影響を受けにくい構造になっています。それに加え、山岡家は地元密着型のためリピーターが多いのに対し、力の源が運営する「一風堂」は都市型+インバウンド依存が高く、韓国需要に偏りがちです。

丸千代山岡家の株価は、年間の騰落率で見れば2位に甘んじていますが、緩やかな上昇トレンドは継続しています。現在の株価は3,090円(12月16日時点)、PERは18.8倍。決算発表翌日は9.8%の上昇で好感されています。この決算内容なら、十分に魅力的な水準だと思います。

ギフトホールディングス(9279)

最後に、2025年は株価が年初からマイナスに沈んでいる、町田商店を運営する「ギフトホールディングス」を見ます。

こちらは12月15日に2025年10月期の決算発表を行いました。売上高358億円(前年比+26%)、営業利益33.6億円(前年比+15.8%)と好調。さらに新年度2026年10月期の予想値は、売上高430億円(前年比+19.9%)、営業利益43億円(前年比+27.7%)と、3年連続で過去最高益を更新する見通しです。

この1年間の株価は冴えない動きでしたが、業績自体はけっして悪くありません。3社の中では最も堅調だったといえます。

株価と業績がチグハグな理由は、当社のPERの高さにあるように思われます。過去3年間の平均PERは30倍以上あり、40倍を超えていた時期もありました。投資家の視線が集まっているときは、欲望の高まりとともにPERも切り上がり、株価はどんどん上がっていきます。しかし、一旦熱が冷めると、業績が好調でもPERが切り下がり、株価が下落していくことはよくあることです。まさに今、その状態といえます。

現在の株価は3,225円(12月16日時点)、PERは25.3倍で、かつての水準よりはかなり下がってきています。とはいえ、3社の中では最もPERが高く、まだまだ割安とはいえません。


あらためて3社を比較してみて、個人的にはやはり丸千代山岡家に投資妙味を感じます。生成AIブームがひと段落し、内需株に資金が移るのではないかという憶測もふつふつと湧き上がっております。今のうちにこっそり仕込んでおきたいと、ひそかに考えています。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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